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ビッグタービンを活かすにはセンサー類も重要

リアルディレクションの奈良岡です。

以前にご紹介した、LOBA310タービンへ換装したR56 MINI COOPER S。イマドキのクルマだけに当然ながらタービンポン付けではまともに動いてくれないので、部品の加工や調整、各種センサーの交換やDMEのリセッティングが必須となります。ただ、この時はオーナー様の予算の都合でセンサー類はそのままで、オーナー様がご自分で順次換えていくということで組み上げました。

その後、オーナー様から「全開時のパワーの伸びがイマイチ良くない」との訴えが。O2センサーはネットで購入した新品に交換済みとのことでした。走らせてみると普通には走るのですが、確かに全開にすると「310タービンの実力はこんなもんじゃないでしょ〜」といった感触。走らせながら診断機のライブデータを見ていると、触媒後に付いている方のO2センサーの挙動が不審です。

古い世代のインジェクション車ならば、センサー類が壊れていると、それがそのまま異常としてエンジンの不調として現れるのですが、イマドキのクルマはセンサーからの数値に異常があっても、DMEの方でニセの数値を作りだして補正し、ある程度は普通に走ってしまいます。ですので街乗りレベルだと多少の不具合には気付かないのですが、サーキットなどで限界領域を使用するというシチュエーションでは、ごまかしきれなくなってトラブルとして現出してしまうんですね。

で、付いていたO2センサーを外してみると社外品で仕様も異なるものでした。また、社外品センサーの中には配線のピン配列が純正品と異なっている場合もあります。この辺りを誤るとセンサーが破損したり、正常な数値が出なかったりと、クルマ本来の性能を引き出せない原因にもなります。そこでO2センサーを純正品に交換して学習のリセットを行ったところ、キッチリと走ってくれるようになりました。

MINIもそうですが、近年のクルマは今まで以上に様々な情報を取りこんで、昔からは想像もできないほどの広範囲にわたって細かな制御をコンピューターで行っているので、特に純正の状態からバランスを崩す行為であるチューニングを行う場合はさらに気をつける必要がありますね。