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ポルシェ964の全塗装 樹脂バンパーは手作業で丹念に剥離・下地作りを


アイムの中村です。

前回ご紹介した964型ポルシェ911の全塗装作業が進行中です。
この車両は以前に施された補修塗装の状態が良くなかったため、一度全ての塗膜を剥いて
下地から作り直して塗ることになりました。
 


しかし、旧い塗膜を落とす上で手間がかかるのが樹脂製の前後バンパー。
鉄板のボディのように溶剤性の剥離剤をかけて塗膜を剥くわけにはいきません。
剥離剤の溶剤分が樹脂を侵して溶けたり変形したりしてしまうのです。
 


となると後はサンドペーパーを用いて人力で丁寧に旧塗膜を削っていくしかないのです。
もちろん大きな面積の部分はエア工具も使用しますが、細かなアールやエッジの部分は
デリケートなので手作業でペーパーをかけていきます。
深いダクトやグリルの奥までできるだけキッチリとペーパーをかけることにより、
塗装がしっかりと乗ってくれて、時間が経っても縁からめくれてくるトラブルを防ぐことができます。

「早さ」や「安さ」を求めるならば、これは全く反対の行為ですが、
クルマを大事にしたいオーナー様の熱意に応えるために、手間を惜しんではいられません。