ルノー・メガーヌ GTライン

公開 : 2014.11.01 16:02  更新 : 2017.05.29 19:22

メガーヌからCVTのトランスミッションがなくなった。それだけでひとまずはめでたい。しかも置き換えられたEDCも専用レシオ設定。さて、肝心の走りはどう変わったのか?

祝!!CVTとサヨウナラ。どのようにサヨナラしたかというと、DCT。ルノー呼称ではEDC(Efficient Dual Clutch)。ルーテシア用と同じもの……かと思ったら2速と6速のレシオが違う(それともちろんタイヤ外径も)。ルーテシア用と較べて2速はヨリ加速重視で、同じく6速はヨリ低回転巡航重視。それとエンジンも、ルーテシア用とはチューンが違う。当然、こちらのほうがハイパワー仕様。

そういうフツーのメガーヌの最新型日本仕様。ただしちょっとだけフツーじゃないのはサスペンション関係がbyルノースポール。グレード名はGTライン。そんなのをありがたがるのは日本人だけだろうと思ったら、ちゃんと本国にもある仕様。クーペ用のアシの設定を“横展開”したものだそうな。素ノーマル比、おそらくちょっとだけローダウン……のはず。

メガーヌの特徴のひとつとして、ハッチバックとワゴンとでホイールベースが違う。当然、ワゴンが長い。違いは60mm。全長は240mm長い。それだけ違うので、ワゴンの荷室はデカい……というか低い。フロア高自体はハッチバックと変わらないのだろうけど、敷居の段差がないのでことさらそう見える。カーペットの下はいったいどうなって……と思ったら、フルサイズのスペアタイヤ。あと、荷室は床が低いだけでなく出っ張りがない……と思ったら、リヤダンパーの配置というか角度がいかにも。床上空間を極力ジャマしないような配慮がまる見え。なるほど。

右ハンドル仕様の運転環境は悪くない。もちろん、ワゴンもセダンも。左ハンドル仕様と較べてBペダルがちょっと近いナというのはあるけれど、テレスコ調整をナニしてなんとかなるレベル。Bペダルに関しては、そのタッチというか踏み応えも及第レベル。スッとたちあげたら踏力一定G一定、の制動はフツーにやれる。ペダルとマスターバックの間をいわゆるトランスファーバーで繋いだタイプだけれど、減点要素になるような現象は特になし(敏感な人は、踏んだペダルをパッと戻した際のバネっぽい感じでソレとわかるかも……という程度)。

パワートレイン関係。速さの感じはパワーやトルクの額面ナリ。ということはちゃんと速い。ちゃんと速いけれど、速さや力強さをことさら印象づけようという演出は控えめ……というか別になし。ちょっとの加速要求に対してすぐにダウンシフトをするほうではないほう。ルーテシアと違ってECOモードはない(なくていい)。マニュアル変速は、レバーをDから左側へ倒してから前後で±。パドルシフターはついてないけれど、そういうのが必要な山道とかではDのままでもよろしくやってくれる。

シャシー方面のデキに関して減点要素があるとしたら、ひとつにはステアリング系。電動パワステであること自体はいいとして、真ん中(直進)あたりに手応えのギュッと詰まった領域がある。フリクションなのかなんなのか、とにかくそのせいで真っ直ぐのライン管理が難しい。レーンの真ん中常にキープで許容誤差はタイヤ幅一本ぶん、なんていうルールを自分で決めて運転すると、わりとすぐにゲームオーバー。むむー。直進だけでなく、カーブに関してもこの舵感は悪さをしている。いわゆるライントレース性にもちょっと難アリ。

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