ジュネーブ・モーターショーで見たチューニングカー・メーカー

公開 : 2015.03.07 22:50  更新 : 2017.12.14 12:31

  • RUF RtR

  • RUF タルガ・フローリオ

  • 911RGT4.2

  • 911RGT4.2

  • テックアート911GTS

  • テックアート・カイエン

  • MTM S8 タラテガS

  • MTM RS6クラブスポーツ

  • MTM S3カブリオ

  • ハーマン・マカンS

  • ハーマンM4

  • ハーマンX6 M50d

  • ハーマン・アヴェンタドール・ロードスター・リミテッド

ジュネーブ・モーターショーは、各自動車メーカーにとって重要な発表の場であると同時に、ニッチなチューニングカー・メーカーにとってもスポットライトを浴びることのできる重要な舞台でもある。会場となったパレキスポ・コンベンション・センターのホール2、4、6という3つのホールには、そういったチューニングカー・メーカーから、様々なモデルが出展された。

まれな例外はあるものの、そういった多くのメーカーのテーマは2つ。よりパワフルなモデルであるか、あるいは人目を引くスタイリングかだ。速さを追求し、あるいははっとするようなビジュアルを持ったそれらのクルマ ーー 特にドイツのメーカーが多い ーー の中から、特に注目のモデルをピックアップして紹介しよう。

RUF
ドイツはバイエルンにあるポルシェ911のチューナーとして名高いRUFは、アグレッシブな3台の991ベースのモデルを発表した。中でも最強のモデルがRtRだ。エンジンは800ps、100.0kg-mを発揮する3.8ℓツインターボのフラット6を搭載。スタビリティを増すためにホイールベースも延長されている。また、本来430psの911タルガGTSは、RUFの手によってツインターボを装着し、新たにプラス200psのパワーと、タルガ・フローリオというネーミングが与えられている。更に、ノーマル・アスピレーションのままチューニングをされた
911RGT4.2というモデルも出展された。リスタイルされたボディと、525ps/8370rpmというパワーを与えられたモデルだ。

テックアート
ドイツのザッフェンハウゼンからクルマで15分という場所に本拠を構えるテックアートは、911GTSとカイエンのチューニング・モデルを発表した。GTSはエアロ・キット、カーボンファイバー・アクセント、20インチのセンターロック・ホイール、選択可能な2つのエグゾースト・システム、インテリア・アップグレード、スポーツ・スプリング、プラス45mmのクリアランスを確保する電気制御の油圧ノーズリフト・システムなどを備える。一方のカイエンは、エクステリア、インテリアのアップグレードと専用のエグゾースト・システムなどが与えられ、プラス80psのパワー・アップもオプションとして設定される。また、より低いエア・サスペンション・システムも用意されている。

MTM
主にフォルクスワーゲン・グループのモデルのチューナーとして名高いのがMTMだ。最近はマクラーレン12Cおよび650Sのモディファイにも力を入れているようだ。今回は、3台のアウディ・ベースのモデルを持ち込んだ。1986年にタラテガ・スピードウェイで350km/hの最高速を達成したアウディ200ベースのモデルを記念して造られたのがMTM S8 タラテガSだ。520psのアウディS8をベースにターボとエグゾースト・システムの変更により800psにまでパワー・アップされたモデル。スタンダートなS8に対して2倍近い£160,000(2,900万円)という価格が付けられている。それよりもいくぶん安価(?)なモデルが、スーパーワゴン、RS6のチューニング・モデル、RS6クラブスポーツだ。こちらは標準のRS6よりも200psほどパワーアップしたエンジンを搭載し、0-100km/hを0.7秒短縮した3.2秒というパフォーマンスを持つ。価格は£132,400(2,400万円)だ。そして、もう1台がターボ・ユニット、ECU、エグゾーストを新たにしたMTM S3カブリオだ。2.0ℓの4気筒ユニットが発するパワーは425ps。パワー・アップ・キットのみなら£12,200(220万円)とお買い得な価格設定となっている。

ハーマン
これもまたドイツのチューニングカー・メーカー、ラウプハイムを本拠とするハーマンだが、英国ではサリーにあるスクーデリア・システムが販売を代行する。ポルシェ・マカンSをベースとしたチューニングカーを早くも発表した。ショーの中でも目立った存在であったこのマカンSは、派手なボディ・キット、ペイント、インテリア、そして低くされたサスペンションを持つ。パワーはECUの変更で、控えめな42psアップに留まる。また、スポーツ・エグゾーストは、アクチュエーターとインテリア・スピーカー・システムによってV8のようなサウンドを奏でるという。BMWベースのモデルもここジュネーブで発表した。BMW M4をベースに86psほどパワー・アップさせたモデ ルだ。E92 M3 GTSを思い込させるようなモデルで、派手なリア・ウイングと、ハンブルグの漫画家、ティモ・ブルツの手によるアートな仕上がりが特徴だった。それに対し、BMW X6 M50dベースのモデルはやや大人しく感じられた。そして、最後がランボルギーニアヴェンタドールをベースにしたアヴェンタドール・ロードスター・リミテッドだ。これは、パワーを750psにまでアップされたモデルだが、奇しくもメーカーから正式に発表されたアヴェンタドールSVと同じパワーの値となってしまった。

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