ゼノスE10 S vs ケータハム・セブン360R

公開 : 2015.04.13 23:50  更新 : 2017.05.29 19:32

サーキット・フレンドリーなロードカー、ゼノスE10 Sの2人の生みの親は、今回の対戦相手であるケータハムの元幹部だ。果たして、どちらが優れているのだろう?

クルマは機械である。したがってクルマ自体は、自らの意思をもたない。だからこそ、今回のような ’因縁の’ 対決も黙ってこなしてもらうしかないのである。

2台のうちの現代的な方の名前はゼノスE10 S。開発元の創設者はアンサー・アリとマーク・エドワーズという2人の男だ。

名前を聞いてピンと来ない人のために。アリはケータハムの元CEO、エドワーズは同じくケータハムの元COOである。

ゼノスE10のレイアウトは、セブンよりもロータス・エリーゼに似ているのだが、ロータスはエリーゼとE10の比較にゴーサインを出してくれなかったため、今回はセブンを連れ出す運びとなったのだ。

アリとエドワーズは現在もロータスの役員であるゆえ、ゼノスはノーフォークで製造される。したがってエリーゼとE10のレイアウトが似たものになるのも頷ける。

具体的にはミドにマウントしたエンジンや、2座のロードスターであること、前後ダブル・ウィッシュボーン式サスペンションとノン・アシストのステアリングを採用する点などが共通事項となる。

エリーゼほどではないがアルミニウムを使用する点も共通。エリーゼはボンドで接合するアルミニウム・モノコックを使用するのに対してE10は車体中央部をアルミニウム製としている。

さらにE10は、強度を増すためにパッセンジャー・タブに炭素繊維強化プラスチックを使用する。いかにも高価そうだが、リサイクルされたカーボンファイバーを織り込んでいるためコストは抑えられているという。

これにより、純粋なカーボンファイバーには劣るものの、カーボンファイバーの70%もの強度を確保しており、コストそのものは驚きの10%のみで済んだのだそうだ。とても手堅い手段といえよう。

特にここ英国では ’自称’ スポーツカー・メーカーが多く、それら大半のメーカーは優れたスポーツカーを作る一方、価格や量産性を度外視しているものが多い。

しかしゼノスは違う。きちんとコストを考えたうえで設計を進めたのだ、とアリとエドワーズは胸を張る。したがってミドに載るのはフォード製の2.0ℓエコブースト・ユニットとなる。

ギアボックスも同じくフォード製の6速マニュアルを組み合わせており、ドライブシャフトに至るまでもがフォード製だ。

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