メルセデス-AMG GT3の最新スクープ

公開 : 2015.07.10 22:50  更新 : 2017.06.01 02:09

2016年にデビューが予定されているメルセデス-AMGのGT3のロード・バージョンの最新スクープがこれだ。このGT3は、最近になってメルセデス-AMGのボス、トビアス・メールスからのゴーサインも無事に出されており、ポルシェ911GT3のライバルとしてポジショニングされるモデルでもある。また、今までのメルセデス-AMGのトップ・モデルのようにブラック・シリーズのネーミングではなく、GT3のネーミングが与えられることも決定している。

3月のジュネーブ・モーターショーでメールスはAUTOCARのインタビューに際して以下の様にコメントしている。

「ブラック・シリーズのネーミングは残すことになるし、将来的にこのネーミングを使用する可能性は高い。ブラック・シリーズはトップ・モデルとして君臨するものとなるだろうが、そのリリース時期や内容については未定だ。」

エンジンはAMG GTと同じ4.0ℓツインターボのV8が搭載されるが、GT Sの510psよりも大きいおよそ600psにまでチューニングされると思われる。ちなみに、V8ユニットは、同じくAMGの2.0ℓツインターボの4気筒と同じアーキテクチャーを持つ。つまり、2ℓ4気筒が既に360psを出していることから推測すれば、倍の排気量を持つ4ℓV8では簡単に720psが出せるだろうとも思われ
がちだが、これについてメールスは、「2ℓで360psを出せたからといって、4ℓで720psを出せるということではない。それほど単純ではない。」とコメントしている。

メールスがこのGT3にかなりのダウンフォースを要求していることから、トップスピードは310km/hから上昇することはないだろう。ちなみに、AMGの歴史上はじめてこのGT3のためにエアロダイナミクス部門専用の雇用を行ったという。

車両重量は1570kgのGT Sよりも80kgから100kgほど減らされることになるという。

「SLSよりもAMG GTは既に80kgも軽い。そのため更なる軽量化のためには、SLSブラック・シリーズがそうであったように、カーボンファイバーを多用しなければならないだろう。」とメールスは語った。

スパイショットでは、ボンネットのウィングレットの他、大きな固定されたリア・ウイングを持つことができる。また、大型化されたフロント・バンパーも見ることができる。

このAMG GT3の目標は、あらゆるエリアにおいて優れたパッケージであることだという。

「0-100km/hを2.8秒で走るクルマを作ることだけが目標ではない。より軽く、より優れたエアロ・パッケージとサスペンションを持ち、卓越したドライバビリティと、より速いラップ・タイムを持つクルマを造り上げることこそが目標だ。現在のAMG GTが持つ7分30秒というニュルブルクリンクのラップ・タイムを、専用の数周しかもたないタイヤではなく標準的なタイヤを履いた上で10秒以上縮めることが狙いだ。」とメールスは語っている。

一方GT3のレーシング・バージョンについては、2010年のSLS AMG GT3と同様の610psを発揮する6.3ℓV8を搭載する予定だ。これに6速のシーケンシャル・トランスミッションが組み合わせられる。

今年3月のジュネーブ・モーターショーで発表されたつや消しのグレイにペイントされたAMG GT3のレーシング・バージョンは、ワイドなボディ、大きなエア・インテイク、新デザインのディフューザー、そして巨大化されたリア・スポイラーなどが特徴だった。また、ストリップ・アウトされたインテリアと、スティール製のロール・ケージが付けられていた。また、重量を軽減するために、エンジン・カバー、ドア、フロント・フェンダー、エプロン、サイド・スカート、ディフューザー、トランク・リッドなどがカーボンファイバー製とされた。ダブル・ウィッシュボーンのサスペンションもリデザインされている。

また、ロード・バージョンのAMG GT3のコストがかなり高価になるため、AMGでは比較的ジェントルなGT4をリリースすることも考えているという。GT4は、現在世界的に成長しているカテゴリーで、他のメーカーではこのGT4で儲けを出しているといった部分もある。アストン マーティンヴァンテージGT4を100台以上セールスしたともいう。


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