豪華な4ドアであるベントレー・ミュルザンヌ・スピードは、より一層ドライバーへアピールするクルマであろうとしている。テスラ・モデルSも同じことができるのだろうか?

ウェブサイトを数回クリックすれば、そこにはいかにもお金持ちそうな大人たちが、海辺で船を眺め、山の中のコテージでパーティーを開いている。

あたらしいベントレー・ミュルザンヌ・スピードのためのページである。ミュルザンヌ・スピードがどんなクルマであるかがすぐにわかっておもしろい。

「このクルマは」とベントレー。「どんなクルマとも異なっており、ある種、独立しています。動力性能と高級感、そして流麗さを兼ね備えたクルマは、ベントレーの他にはありません。世界を変えることになるでしょう」

ある種、独立している……。世界を変える……。本当に? 説明を聞くかぎり、まったくもって非の打ち所がないように思えるが、実際のところはどうなのだろう?

対するテスラ・モデルSは、言うなれば初めて月面に足跡をつけたような、何もかもが初めてだらけのクルマといえる。

ラグジュアリー・サルーンであることには変わりないが、推進力はすべてが電気。だからといって日常使用に躊躇いがないのは、一度の充電で491kmの航続が可能だからだ。

説得力のある価格に、他とも勝負ができる質感。コンベンショナルなディーゼル・モデルであるBMWやアウディに水をあけられない完成度というわけだ。