BMW 1シリーズ3気筒プロトタイプ

公開 : 2012.09.15 17:50  更新 : 2017.05.29 18:00

■どんなクルマ?

このプロトタイプの1シリーズは、BMWの新しい3気筒エンジンを搭載したモデルだ。われわれは幸いにもこのプロトタイプを試乗することができたが、そのエンジンの公式な数値などは後ほど発表されるはずだ。今のところ、われわれがテストした車輛に搭載されるのは、178bhp、27.5kg-mのパワー、トルクを発揮しているらしいということだけだ。もちろん、その1.5リッターという小さな排気量からすれば十分過ぎる数値だ。

この3気筒エンジンは、2020年までにBMW全体で25%燃料消費率を抑えようとするエフィシエント・ダイナミクス・プログラムの第2段階の主役となるものだ。

プジョーとのパートナーシップによって作製された合金ブロック製のこのエンジンは、今までの1.6リッター4気筒エンジンと比べて、最大10%の無駄を排したとBMWはコメントする。

もちろんBMWが最初に3気筒エンジンに目をつけたメーカーではない。ダイハツは、3気筒エンジンで長い歴史を持っているし、フォードも最近のエコブースト・エンジンで3気筒バージョンを出してきた。しかし、BMWはこの3気筒エンジンについて、ガソリン・エンジンだけでなくディーゼル・エンジンもラインナップに加えたのだ。

■どんな感じ?

このエンジンは、まず最初は横置きに搭載されフロント・ドライブとなるミニに搭載されることになる予定だ。しかし、今回われわれがテストしたのは、縦置きでリア・ホイールをドライブする1シリーズのプロトタイプだ。BMWの4気筒、あるいは6気筒同様、1シリンダーあたり500ccの容量を持つ。BMWによれば、それは摩擦と振動と熱の特性を考えると最適なサイズなのだという。また、このエンジンのキーとなるのは、シングル・ターボチャージャーとバルブトロニック可変バルブ・タイミング機構である。

ダッシュボードのスタートキーを押すと、コンパクトな3気筒エンジンは、遠くから独特のサウンドのアイドリングをはじめる。プロトタイプには8速のオートマティックが組み合わせられているが、それはパフォーマンスと経済性のバランスの最高の妥協点を提供するという。

見せかけとは違う力とスムーズさが、低中速域にはある。バランスシャフトも上手く振動を止めているようで、既存の3気筒エンジンにはない素晴らしさが感じられる。ブースト圧がどのぐらいかは知らされていないが、ターボラグもほとんど感じることはない。そして、特徴的なタービンの唸りと、よりメカニカル・ノイズが大きくなる高回転では、スバルの水平対向4気筒とも違うサウンドが聞こえてくる。

B38エンジンは、基本的には4気筒や6気筒エンジンと同様、伝統的に高回転を好むユニットであるという。1500rpmからはじまり5000rpmを超えるまでそのパワー・デリバリーは非常にソフィスティケートされており、更に回転リミッターが作動する6500rpmまでスムーズに魅力的な排気音と共に吹け上がる。

116iに搭載される1.6リッター・エンジンより44bhp、5.1kg-m大きいパワー、トルクは、0-100km/h加速で8秒を切ることだろう。また、それでいて経済性は19.8km/lをマークするはずだ。

■「買い」か?

限られた試乗だったが、その強いトルク特性と、全体的なレスポンスの良さ、そしてフレキシビリティ、更にはそのサウンドに魅せられた。このまま生産モデルになってもおかしくない。更には、われわれの興味は、これが横置きになってFWDに搭載されると、どうなるかということだ。

とはいえ、現状では、スポーティなBMWのエントリー・レベルのエンジンとしては申し分ないと自信を持っていうことができるエンジンだった。

(グレッグ・ケーブル)

BMW 1シリーズ・プロトタイプ

価格 NA
最高速度 220km/h
0-100km/h加速 8.0秒
燃費 19.8km/l
CO2排出量 NA
乾燥重量 1260kg
エンジン 直列3気筒1.5リッター・ターボ
最高出力 178bhp
最大トルク 27.5kg-m
ギアボックス 8速オートマティック

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