BMW X1 xDrive 20i

公開 : 2015.12.14 23:55  更新 : 2021.10.11 09:02

■どんなクルマ?

新型X1は、大きくイメージが変わっていた。先代はユニークなコンセプトだったので、とくにそう感じるのだろう。SUV(スポーツ多目的車)ならぬSAV(スポーツアクティビティ車)と、2009年登場の初代X1を、BMW自身が定義していただけある。先代3シリーズ(E90)をベースにしながら、長めのルーフとテールゲートでもって、ステーションワゴンとも、SUVとも雰囲気の違う、独特の存在感だった。

先代X1をいまも街で見かけると、いいスタリングだなあと思ってしまう身にとって、新型はだいぶ “フツウ” に見える。全高が35mm上がったのと、とりわけフロントマスクではエアダム形状などから高さ感が強調されたせいだろうか。一般的なSUV的プロポーションと感じさせるようになった。

従来型のオーナーは、市街地によくある立体式駐車場を使え(ることが多かっ)たが、全長が1610mmになった新型では、平地を探す必要が出てきた。一方で、全長は30mm短くなって前後方向がコンパクトになったのと、パッケージングの見直しで後席スペースがうんと拡大している。新型X1には、日常の使い勝手という観点から見た場合、このようなネガとポジがあるのだ。

基本プラットフォームは、このサイトでも先刻お伝えしているように、BMWの新しい戦略にのっとったもの。BMWのラインナップでいえば、先に発売されている2シリーズアクティブツアラーと同グランツアラーとの共用となる。といっても、BMWの日本法人、ビー・エム・ダブリューでは、「前輪駆動モデルは1.5ℓエンジンモデル(X1 sDrive 18i)のみで、あとはすべて4輪駆動(xDrive)」と、違いを強調をしている。SUVとして新しい市場を開拓するのが、新型の狙いと考えるべきなのだ。

はたして接すると、明らかに新しくなっていて、魅力もしっかりある。

記事に関わった人々

  • 小川フミオ

    1959年生まれ。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業。二玄社(にげんしゃ)で「NAVI」の編集に携わる。1999〜2001年、編集長。02年より「モーターマガジン」(モーターマガジン社)の編集長に。同年秋より「Food and Style」を謳うグルメ誌「アリガット」(IMAGICAパブリッシング)の編集長に。2004年よりフリーランス。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

BMW X1の人気画像