フォルクスワーゲン・ティグアンGTEアクティブがデトロイトでデビュー

公開 : 2016.01.12 22:40  更新 : 2017.06.01 01:39

一連のエミッション・スキャンダルによりにわかに活気付いたフォルクスワーゲンのハイブリッド・モデル攻勢は、ティグアンGTEアクティブの発表によりさらに勢いづく。

このモデルは、昨年のフランクフルト・ショーで発表されたクルマに搭載するドライブライン・テクノロジーを採用した、力強いルックスのコンセプトカーで、販売は2016年末を予定している。

ゴルフGTEに搭載されたガソリンおよびモーターのハイブリッド・システムを改良して採用し、ドライビング・モードの選択により、フロント、リア、AWDという駆動方式を選ぶことができる。

2基のモーターは、1つが前輪を、もう1つが後輪を受け持ち、バッテリーに十分な残量があるときには、電気のみによる短距離のオフロード走行が可能だ。フォルクスワーゲンは、この機能こそが新型5シーター・モデルの環境性能の高さを示すものだとしている。また、このモーターに1.4ℓの4気筒ターボ・ガソリン・エンジンが組み合わされ、米国のテスト方式で31.9km/ℓという複合燃費を達成した。

このモデルは、フォルクスワーゲンの第2世代SUVにオフロード・スタイリング・パッケージを用意する準備があることを示唆している。最低地上高を大きく取れたことや、エクステリアの加飾を行い、ティグアンは一層力強いものになった。

これゆえ、たくましさを強調したルックスを、プロダクション仕様のティグアンに与える計画も実現可能だと、同社は語っている。

エクステリアの変更点は、キックプレートを取りいれた前後バンパー、ヘッドライト周りの変更、大きなホイールアーチ、ブラック塗装のサイドミラー、LEDスポットライト搭載のアルミニウム・ルーフパネル、テールゲート・スポイラーのリワーク、オールテレイン・タイヤを履く新しい16インチ・ホイールなど。

今回のコンセプト・モデルの作成にあたり、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツといった高性能車に迫るオフロード性能を得るために、第2世代のティグアンのシャシーは最低地上高が180mmから225mmへと拡大された。また、アプローチアングルは、25.6°から26.1°に、デパーチャーアングルは 24.7°から29.9°に、ランプブレークオーバー・アングルが20.0°から24.7°へと大きくなっている。

ティグアンGTEアクティブに搭載される1.4ℓ4気筒ターボ・ガソリン・エンジンは150ps、27.5kg-mを発揮。組み合わされるフロント・モーターはギアボックス内に装備され、54.7ps、22.4kg-mを発揮、リアモーターは、リアアクスル・アッセンブリーに搭載され115.6ps、27.5kg-mを発揮する。システム総合の最高出力は224ps、最大トルクは51.0kg-mとなり、最もパワフルなティグアン2.0TDI比で出力は1ps少ないものの、トルクは15.3kg-m高められている。

12.4kWhのリチウムイオン・バッテーリはリアのラゲッジスペースのフロアに搭載され、240Vの電源プラグおよび、エンジンの動力を利用した充電が可能だ。

バッテリーのパワーは、6速デュアルクラッチを介して、前輪、後輪、および4輪に振り分けられる。また、4輪駆動走行が必要なときにはリアのモーターにエンジンの動力を直接伝えるエレクトリック・プロップシャフトも機能する。これは、滑りやすい路面状況や、オフロードといった場面で作動するものだ。

バッテリーが十分な残量を確保しているときは、ティグアンGTEアクティブは、エレクトリック・モードで始動する。まず、リアのモーターが後輪を駆動し、ドライバーがさらなる動力を求めたり、センサーがトラクション不足と判断したときにはフロントのモーターも駆動を開始するというものだ。

モーターのみの航続可能距離は最大32kmで、トップスピードを時速112km/hに制限しさえすれば、エレクトリック・モードでオフロードを走破することも理論的には可能だ。

一方のエンジンは、さらなるパフォーマンスが必要なときに稼働し、駆動力は前輪に伝えられる。システム総合の0-100km/h加速は6.4秒とされ、最高速度は193km/h。エンジンとモーターの両方を利用した航続可能距離は、933kmに達する。

合計6つにもなるドライビングモードは、コンソールのロータリーコントローラーで操作でき、オンロード、オフロード、スポーツ、スノー、チャージ、バッテリー・ホールドが用意される。バッテリー・ホールドは、モーターのみの走行に変更する必要に備え、充電をコンスタントに行うものだ。

過激になったエクステリアに応じて、インテリアもオフロード志向のアクセントやトリムが与えられている。また、最新式のインフォテインメント・システムには9.2インチのタッチスクリーンが装備され、ジェスチャー・コントロールも備わるほか、Mirror Link、Android Auto、Car Playといったアプリにも対応する。

▶ 2016 デトロイト・モーターショー

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