ホンダ・シビック1.6 i-DTEC SE

公開 : 2012.11.13 18:48  更新 : 2017.05.29 19:10

■どんなクルマ?

94g/kmのCO2排出量を誇る、待ちに待ったホンダの1.6リッター・ディーゼルがヨーロッパ仕様のシビックに搭載されることとなる。この新しいモデルのボディとエンジンは、英国のスウィンドン工場で製造されることとなる。

このエンジンの研究はおおよそ5年前にスタートしたという。年間170,000台という販売を切ってしまったホンダにとって、これはヨーロッパ市場で起死回生の切り札ともなるモデルだ。ヨーロッパ以外の市場では、ホンダはガソリン電気のハイブリッドに大きな投資をしている。特に、日本とアメリカはディーゼル・エンジンを好まない傾向にある。

この新しいディーゼル・エンジンは、内部摩擦レベルを、最高のガソリン・エンジンと同等にしているとホンダは言う。1800バールのインジェクションと、小さなシングル・ターボ、そして触媒とDPFフィルターを持つ。また、オープン・デッキ・ブロックを使用したアルミニウム・ブロックのエンジンは、劇的に小さく軽いクランクシャフトを持つという。2.2リッターのディーゼルの15.9kgのクランクシャフトと比較すると、その重さは10.1kgと36%の軽量化に成功している。

ピストンはよりスカートが短く、10%の軽量化に成功している。またクランクシャフトのベアリング・キャップを分割してことで、ノイズも低く抑えられてる。1500rpm時に、典型的なディーゼル・エンジンよりも40%摩擦が低いとエンジニアは言う。また、バランス・シャフトを持たないのも特徴だ。

ギアボックスも従来よりも7kg軽い6速マニュアルが組み合わせられる。その結果、従来の2.2リッター・ディーゼルに比べて47kg軽いエンジンと併せて、54kgもフロント・エンドが軽くなっているという。

■どんな感じ?

ホンダの栃木試験場で、高速オーバルを2、3周するという限られた試乗条件だったが、非常に滑らかな乗り味が印象的だった。確かにスタンディング・スタートではディーゼルを感じることは確かだ。しかし110km/hの巡行スピードに入ると、このシビックがかなり洗練されていることがわかる。ノイズも少なく、しかも低周波のディーゼル独特のものが感じられないのだ。

ホンダのエンジニアによれば、スウィンドン近くのA419で96km/hで走行した感触では、ゴルフやモンディオ・ディーゼルと同等以上だという。

更に、このモデルには、ノイズ・キャンセリング・システムが組み込まれている。これは雑音と異なる位相の音をスピーカーで出すことによって、そのノイズを消してしまうおうというシステムだ。

本当にシビック・ディーゼルは静かで、ガソリン・モデルのようだった。また、軽量化されたフロント・エンドによって、そのコーナリング・レスポンスもかなり良いように感じられた。クルマ全体の仕上がりは、非常によく設計がされており、タイトな印象を受けた。

■「買い」か?

シビックi-DTECは、軽快なフットワークと、高い経済性を備えたクルマだ。ガソリン・エンジンで最高の技術をもった会社が本気で造った4気筒ディーゼルだ。

発売について12月上旬のホンダ社内の判断を待たなければならないということで、今回、われわれに許されたのはテスト・トラックでの走行ということだった。

間もなく発売されるだろうシビック・エステートには、このエンジンは理想的でもある。シビックは、いままで少し過小評価されていたクルマでもある。このエンジンの登場は、ヨーロッパにおいて確実に成功するだろう。

(ヒルトン・ホロウェイ)

ホンダ・シビック1.6 i-DTEC SE

価格 19.400ポンド(244万円)
最高速度 200km/h
0-100km/h加速 10.0秒
燃費 29.4km/l
CO2排出量 94g/km
乾燥重量 1346kg
エンジン 直列4気筒1597ccターボ・ディーゼル
最高出力 118bhp/4000rpm
最大トルク 30.6kg-m/2000rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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