BMW i3

公開 : 2012.02.29 12:25  更新 : 2017.06.01 00:54

BMWの新しい都市型EV、i3の軽量化技術は、他のブランドへ移植される可能性が出てきた。

i3のデザインは、プロダクション・モデルに近づいたため、最初に去年のフランクフルト・モーターショーで発表されたほど独創的なものでなくなった。それは、i3の兄弟車である4輪電気モーター駆動のガソリン・ハイブリッド・モデル、i8と同じプロセスを経ていると言える。

フランクフルトで公開されたi3は、シースルーのドアを特徴としていたが、テスト車両は通常のドアを持つ普通のデザインのものに変えられた。シースルー・ドアはコンセプトカーとして注目を浴びるためのモーターショーでの演出のためだったとのこと。

i8同様にi3は軽量でなおかつ非常に強度のあるCFRPをボディの基本構造に使用している。それは「ライフ・モジュール」と呼ばれている。そして、シャシーはアルミニウムによって造られている。このライフ・モジュールが他のブランドに移植されるかもしれないということなのだ。例えば、BMWグループが、将来のミニにこのモジュールを使う可能性を否定できない。

i3の基本は背が高いデザインで、それはミニ・ワンに近い。i3のプロダクション・バージョンはミニ・ワンよりも265kg重い1270kg。長さ3845mm、幅2011mm、高さ1537mmという値は、ミニ・ワンよりも120mm,326mm、132mmそれぞれ大きい値だ。また、2570mmというホイールベースはミニ・ワンよりも105mm長い。したがって、i3はミニ・ワンよりもすべてにおいて大きなサイズではあるが、逆にどのBMWモデルよりも小さなサイズでもある。

荷室スペースはリア・シートの後ろに200lのサイズを確保している。

BMWは、i3が「比較的小回りが効き」「典型的な都市部の速度で機敏なハンドリングを持つ」とBMWは主張している。また、明らかでない重さと能力のリチウム・イオン・バッテリーを積まずに液冷のバッテリーを採用することによって、i3の重心は現在の1シリーズよりも低いという。

BMW i3は来年、プラグインEVとして販売される予定だ。ガソリン・エンジンの助けを借りるハイブリッドのi8と異なり、i3は純粋なEVとして生産される予定だし、その技術を1シリーズのボディに載せてアクティブEプロトタイプとしてテストも行なっている。

その方式は、プラグイン・システムによってリア・アクスルに取り付けられたモーターを駆動するというもの。シングル・スピード・トランスミッションを通じて、バッテリーから供給されるエネルギーをリア・ホイールに伝える。そのパワー、トルクは168bhp、25.4kg-mで、プラシレスのモーターによってi3は、0-60km/h 3.9秒、0-100km/h 7.9秒というパフォーマンスを記録する。それは118dとほぼ等しい数値である。80km/h-120km/h加速もジャスト6.0秒だ。最高速度は、バッテリーのチャージを保護することを考えて150km/hに抑えられる。

充電は220Vで6時間、急速充電を使用すれば1時間で80%の充電が可能。バッテリーをセーブするためには、ブレーキ・エネルギー回生システムも大きな要素を占めるが、惰性で走っているときも充電する「コースト・モード」も重要な技術だ。

i3の走行可能距離は130kmから160km程度で、これによっておおよその旅行の90%はカバーすると考えている。更にBMWは、より長い旅行を望む向きのために、RExと呼ぶ走行可能距離を伸ばすオプションを(レンジ・エクステンダー)用意する予定があることを明らかにした。

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