フォルクスワーゲン・ゴルフ4モーション 2.0TDI

公開 : 2013.02.01 20:00  更新 : 2017.05.29 18:58

■どんなクルマ?

フォルクスワーゲン・ゴルフ4モーションは、新しく開発された電子制御マルチ・プレート・ハルデックス・スタイルのクラッチを含む、いくつかの新しい技術的な試みが採り入れられたベストセラーの4WDモデルだ。

そのバリエーションは左ハンドルのみで、エンジンは4気筒のディーゼル2種が用意される。104bhp、25.4kg-mの1.6ℓターボ・ディーゼルと、148bhp、32.6kg-mの2.0ℓターボ・ディーゼルだ。トランスミッションは、共に6速マニュアルが標準で、1.6ℓモデルには7速デュアル・クラッチが、2.0ℓモデルには6速デュアル・クラッチがオプションで用意される。

この4WDシステムはハルデックス5とネーミングされ、9月のフランクフルト・モーターショーでデビューするゴルフRや、2014年に英国で発売予定のゴルフ・オールトラックなどにも採用される予定のもの。プレッシャー・アキュムレータを廃止したことによって重量を軽減している。また、それまで油圧を使用していたポンプを電動デバイスにすることによって、フロントおよびリア・アクスルへの駆動力の切り替えをより速いものとしている。更に、電子制御のディファレンシャル・ロックが、フロントとリアに装備されている。

■どんな感じ?

世界的に有名なスキー・リゾート、オーストリアのキッツビューエルで今週行われた試乗会だったが、ゴルフ4モーションが驚くほど運転して愉しいクルマであるということは直ぐに実感できた。ウォルフスブルグの頑強なハッチバックは、ゴルフ6の4モーションを更に進化させたものであった。

程度な重さを持つダイレクトなステアリング、優れたボディ・コントロール、クラス・スタンダードを越える素晴らしい乗り心地、広々としたインテリア・スペース、そして高級な装備など。

そして、さらに4モーションは、FWDモデルよりもミッド・コーナーで優れたグリップを持ち、特に低速ギアでは優れたトラクションによるパフォーマンスを披露してくれた。

ハルデックス5は、通常はフロント・ホイールに力を分配するが、ハードなプッシュをすれば100%リア・ホイールにエンジン・パワーを伝えることも可能だ。油圧にかわって電子制御されるため、旧モデルよりもその切り替えは明らかにレスポンスが良い。大騒ぎすることなく、2.0ℓTDIエンジンの大きなロー・エンドでのトルクをロスすることなく駆動力に変えてくれる。

ハイレベルのトラクションが掛かっている時でも、標準の電子制御のスタビリティ・コントロールが効果的に効く。例えば片輪がホイールスピンしかかっても、反対側のホイールがダイレクトに路面を掴んでくれる。

最近の英国にような凹凸が激しく、凍結していたり雪が散乱しているような道では、この4WDシステムが平和な運転を届けてくれるだろうし、さらに雪の多い地方などでは、かなりの利点があると思われる。

牽引力も1900kgと、標準的なFWDモデルの1500kgよりも大きくなっている。

確かに4モーションは、FWDモデルよりも80kgほど重いが、日常のランニングにおいてはその重さは無視できる程度のものだ。0-100km/h加速は8.6秒だし、燃費も21.3km/ℓをマークするという。

■「買い」か?

特にこの季節、4モーションは有用だ。パンチの効いたディーゼル・パワーと4WDとの組み合わせは、すべての道路状況において信頼できるドライビングを提供してくれる。

但し、その価格は標準的なFWDモデルよりも1,500ユーロ(19万円)高で、スイス、オーストリア、ドイツなどの限られた国でしか販売される予定がない。悲しいことに、フォルクスワーゲンでは右ハンドルの4モーションを造る計画はないという。

(グレッグ・ケーブル)

フォルクスワーゲン・ゴルフ4モーション 2.0TDI

価格 NA
最高速度 211km/h
0-100km/h加速 8.6秒
燃費 21.3km/ℓ
CO2排出量 122g/km
乾燥重量 1449kg
エンジン 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル
最高出力 148bhp/3500rpm-4000rpm
最大トルク 32.6kg-m/1750rpm-3000rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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