ルノー・クリオGT-ライン120

公開 : 2013.06.21 16:00  更新 : 2017.05.29 19:22

■どんなクルマ?

ルノー・クリオGT-ライン120は、スタンダードなクリオと、ルノースポール200ターボとのギャップを埋めるモデルだ。その開発はルノースポールのサブ・ブランドとして行われた。6速のデュアル・クラッチが奢られ、そのスタイリングもRS200譲りのものを多く取り揃える反面、エンジンは1.2リターのTCe4気筒というランニング・コストの安いものが採用されている。このエンジンはダイレクト・イグニッションを持ち、ターボで過給されるものだ。

価格は£17,395(262万円)で、RS200よりも£1,600(24万円)安く、GT-ライン120の次に安いモデルよりは£1,300(20万円)高い。

エクステリアはLEDヘッドランプをふくむGTノーズ、リア・スポイラー、ツイン・テールパイプ、17インチ・アロイ・ホイール、マット・シルバーにペイントされたリア・ディフューザー、ドア・ミラーとサイドシルを持つ。

インテリアでは、RS200から移植されたアルミウム製のペダル、パドルシフト付き本革巻ステアリングと、RS200の赤に対してマット・シルバーのアクセントが入るスポーツ・シートが装備される。また、その材質もRS200とは異なる。

ドライビング・ポジションは調整可能だが、ダッシュボードのバイブレーションとクラック音のあるスイッチギアはマイナス点となる。7インチのメディア・インターフェースは標準でナビゲーションとブルートゥース接続を持つ。また、ダッシュボードとテールゲートにはルノースポールのバッチが付く。

そのエンジンは118bhpと19.4kg-mというパワー、トルクで、ディエップからはお墨付きのものであるが、本当にルノースポールを求める層に応えられるだけの俊敏さを持っているのだろうかが気になる。

■どんな感じ?

RS200に用いられている6速デュアル・クラッチのEDCギアボックスは、マニュアルにたいして18kgも軽いという。その結果、GT-ライン120は、1トンあたり99bhpのパワー・ウエイト・レシオを持つ。しかし、この値はRS200の1トンあたり164bhpよりは、0.9ℓ3気筒のTCeモデルの1トンあたり88bhpに近い。

その結果、すべての回転域でパワー不足を感じずにはいられなかった。ターボが効き出す2500rpmまでは怠惰であり、例えターボが効き
始めてからレブ・リミットの6500rpmまでの決して力強いとはいるものではない。また、スポーツ・モードを選択したとしても、パドルシフトによるシフトダウンは素早さを感じないものだ。

クルージングでは、たしかにエンジンは滑らかで静かだが、一般市街地ではターボを聞かせた回転域で走らせる必要があった。

ブレーキは、後輪がドラムにも関わらず、鋭き効きを示してくれたが、スポーツ・モードでより重たくなるステアリングは高速道路から2級国道にいたるまで充分なダイレクト感もなく、フィーリングに欠けていた。

シャシー・セットアップは、通常のクリオよりも40%固いダンパーが与えられており、古典的なルノースポールの味付けだった。その乗り心地は硬めだが、ボロボロの道から高速道路まで快適なものであった。

■「買い」か?

ルノーはこのGT-ライン120のライバルとして、ミニ・クーパーやシトロエンDS3を上げているが、GT-ライン120よりもそれらのライバルの方が安く速く、但し質素だ。通常のフォードフィエスタであっても、GT-ライン120よりもダイナミックな魅力があるというのが真実だろう。

(リチャード・ウェーバー)

ルノー・クリオGT-ライン120

価格 £17,395(262万円)
最高速度 195km/h
0-100km/h加速 9.9秒
燃費 19.2km/ℓ
CO2排出量 120g/km
乾燥重量 1186kg
エンジン 直列4気筒1197ccターボ
最高出力 118bhp/4900rpm
最大トルク 19.4kg-m/1750rpm
ギアボックス 6速デュアル・クラッチ

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