メルセデス・ベンツBクラス・エレクトリック・ドライブ・プロトタイプ

公開 : 2014.01.26 15:00  更新 : 2017.05.13 12:51

■どんなクルマ?

メルセデス・ベンツBクラスの完全のEVモデルは、昨年の始めのニューヨーク・モーターショーでコンセプトカーとして出展されたモデルで、ほぼプロダクション・モデルに近いステータスに仕上がっている。しかし、右ハンドル・モデルが登場するまでは1年近くかかると思われるので、英国在住の人々が興奮するのはまだ早いかもしれない。

このMPVの左ハンドル・バージョンは、6月に北米で、10月にはヨーロッパでの各国で販売が開始される。北米およびヨーロッパでは、BMW i3日産リーフ、そしてフォルクスワーゲン・ゴルフGTEとプラグイン・モデルの戦いを繰り広げることになる。

パワーは、テスラから供給されるモーターだが、電気系統のマネージメント・システムはメルセデス・ベンツ製だ。そのフロントに搭載されるモーターは174bhpを発揮することになる。この値は、i3よりも8bhp大きく、1.8ℓターボ・ディーゼルを搭載したB200 CDIよりも40bhp大きい。

他の電気自動車と同じようにトルクは強大で、34.7kg-mを発揮する。そのトルクは、スタート直後からピークに達するもの。

メルセデス・ベンツによれば、そのパフォーマンスは0-100km/h加速が7.9秒。トップスピードは160km/hだ。

■どんな感じ?

パワー・デリバリーは素晴らしいほどリニアで、どの速度域からもそのエネルギッシュな加速は数値以上のものがある。都市部でのドライブには充分すぎる力だ。

ステアリング・ホイールに付けられたパドルによって、回生エネルギーの状態を3つのモードに切り替えることができる。そのうちのひとつは回生エネルギーを全く使用せずホイールはフリーになる。しかし、通常はデフォルトのモードにするのがよいだろう。

数か国での電気自動車にかけられた規制をクリアするために、30km/h以下ではレシプロのエンジン音がダミーで発せられるようになるのも面白い機構だ。

電気モーターは28kWhのリチウム・イオン・バッテリーがフロント・シートのフロアに取り付けられる。充電は400V/16Aでは3時間でフル充電となるが、1時間30分あれば100km走るだけの電気が蓄えられる。

バッテリーの重量は300kg。そのため合計の重量は1750kg。i3の1195kgと比較するとかなり重たい。その結果、このメルセデスのエネルギー消費は18.0kW/hとBMWの12.0lW/hよりも大きくなっている。しかし、それでもヨーロッパのテスト・サイクルでは200kmの航続距離を確保している。実際には150km程度と思われる。

Bクラス・エレクトリック・ドライブは、通常のBクラスに対して重心が40mmも低い。電気モーターとバッテリーが低いポジションに取り付けられているからだ。その重量の加算に対応するために、より固いスプリングとダンパーが与えられることになったが、その結果、通常のBクラスよりも安定した乗り心地が確保されている。電気機械式のアシストを持つステアリングは、残念ながらストレートでのフィーリングに欠けるきらいがあった。

■「買い」か?

メルセデス・ベンツはまだその価格を発表していないが、英国では5,000(84万円)の政府の補助金があるため、実質的には£25,000(420万円)程度で販売が行われると思われる。これは充分にi3と戦える価格だ。但し、i3と比べると、パワー不足とハンドリング面でのマイナスは否めない。

(グレッグ・ケーブル)

メルセデス・ベンツBクラス・エレクトリック・ドライブ・プロトタイプ

価格 NA
最高速度 160km/h
0-100km/h加速 7.9秒
燃費 18.0Kwh/100km
CO2排出量 0g/km
乾燥重量 1750kg
エンジン モーター
最高出力 174ps
最大トルク 34.7kg-m
ギアボックス シングル・スピード

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