アルファ・ロメオ・ミトTBツインエアー・スポルティーバ

公開 : 2014.03.20 21:50  更新 : 2017.05.29 18:24

■どんなクルマ?

2008年に登場したアルファ・ロメオ・ミトは、いつくかのアップデートを受けて今日に至っている。そのミトに最新の2気筒ツインエアー・エンジンが搭載された。

ターボ付きの2気筒875ccエンジンは、それまでの86psから105psにパワー・アップされ、トルクも14.8kg-mになった。その結果、0-100km/h加速はそれまでも12.5秒から許容範囲とも言える11.4秒にまであがった。また、CO2排出量も99g/kmと100g/kmを割、燃費も23.8km/ℓとなっている。

このフェイスリストに合わせて、アルファ・ロメオはそのトリム・レベルも改築した。新しいトリム・レベルは、スプリント、ディスティンクティブ、スポルティーバ、そしてクアドリフォリオ・ヴェルデとなった。

今回われわれが試乗したのは、ブルートゥース/USB接続、18インチ・ホイール、クルーズ・コントロール、パーキング・センサー、エアコン、5インチ・タッチスクリーン・メディア・システムが標準で装備されるスポルティーバだ。

■どんな感じ?

インテリアは新しいマルチメディア・システムを除けば従来どおりだ。そのキャビンは充分に面白く、スペースも広い。リアも大人2人のためには文句ないサイズだ。ちなみに、ミトは5シーターではなく4シーターだ。また、大きなトランクを必要な装備も配置されている。

驚くことはないかもしれないが、ツインエア・エンジンは経済性とフレキシビリティに欠けている。比較的センシブルなテスト・コースではあったが、その実質燃費は13.5km/ℓで、公称の23.8km/ℓには遠く及ばなかったのだ。この程度の燃費であれば、より強力なエンジンでも達成できるものだ。

また、ミトを素早く走らせるためには、一所懸命なドライブが必要で、それがより燃費を悪化させているのかもしれない。そして、もう一つ問題がある。それはノイズだ。スロットルをオンにしている限り、メカニカルな耳障りな音が聞こえてくるのだ。アイソレーションに関して、このミトが全く駄目というわけではない。そのサウンドを心地良いと感じれるかどうかだ。

アルファのDNAドライビング・モード・システムは、そのモードに応じてステアリングの重さ、スロットル・レスポンス、スタビリティを調整するというものだが、ダイナミック・モードを選択すれば、ミトは陽気で元気の良い走りを見せていくれる。その機敏なシャシー・セッティングと合わせて、ドライビングの楽しさを味あわせてくれるはずだ。

ただし、コミュニケーションのないステアリングについてはマイナス点である。

■「買い」か?

現時点でミトを選ぶということは、よっぽどミトが好きでないと難しいかもしれない。ライバルであるフォードフィエスタ、フォルクワーゲン・ポロ、スズキ・スウィフトなどは、より最新で完璧なパッケージを持っている。現実的にはその燃費をかんがえるとフィエスタSTあたりですらライバルとなるのではないだろうか。但し、フィエスタSTはミトよりも£695(11万円)ほど高い値段が付いているが。

もし経済性を主眼にいれるのであれば、小型ののディーゼルやフォードのエコブーストという選択肢になるかもしれない。

(ルイス・キングストン)

アルファ・ロメオ・ミトTBツインエアー・スポルティーバ

価格 £16,300(276万円)
最高速度 184km/h
0-100km/h加速 11.4秒
燃費 23.8km/ℓ
CO2排出量 99g/km
乾燥重量 1130kg
エンジン 直列2気筒875ccターボ
最高出力 105ps/5500rpm
最大トルク 14.8kg-m/2000rpm
ギアボックス 6速マニュアル

▶ 海外初試乗 / アルファ・ロメオ・ミトTBツインエアー・ディスティンクティブ
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