ボルボV60ポールスター

公開 : 2014.04.18 22:30  更新 : 2017.05.29 19:08

■どんなクルマ?

ボルボは最近新しいプラットフォームと、最新のパワートレイン3つを公開した。しかし、それとは別に、レース生まれのポールスター・パフォーマンス・モデルが英国にもたらされた。このポールスターは、イエテボリのアルピナとも言えるポジショニングだ。

V60ポールスターのベースとなったのは、既にカタログから消えてしまったV60 T6である。従って、そのパワートレインは、3.0ℓストレート6ターボ・ユニットで、これにフォードからの遺産とも言える6速オートマティックが組み合わせられ、4つのホイールを駆動する。

2012年に発表された508psを発揮するエンジンを搭載したS60ポールスター・コンセプトから移植されたメカニズムも多い。80%固められたスプリング、マニュアルで調整可能なオーリンズのダンパー、固められたアンチロール・バー、よりスマートなハンドリングを可能とするカーボンファイバー製のフロント・ストラット、そして20インチ・ホイールなどだ。

ボルグ・ワーナー製のツイン・スクロール・ターボと、新しいインタークーラー、そしてフリー・フローのエグゾーストなどによって、そのパワーは350ps、トルクは51.0kg-mというチューニングだ。これはオリジナルのT6よりも15%多い数値となる。

S60コンセプトから移植された第5世代のハルデックス・カップリングが装備され、パドルシフトも装着される。その4WDシステムは、デフォルトではフロント・アクスルにパワーを多くデリバリーするが、最大50:50にまで変化する。

ブレーキはフロントに6キャリパーのブレンドが与えられ、トラクション・コントロールもリマップされている。

一方、エクステリアの変更は少ない。スピリッター、ディフューザー、そしてスポイラーが装備される程度だ。

インテリアも、スポーツ・シートが装備され、ヌバックと本革のステアリングが与えられている。

■どんな感じ?

スターター・ボタンを押すとエンジンは簡単に目覚める。スポーツ・モードにすると、たくましいエグゾースト・ノートに包まれる。

ラウンチ・コントロールをセットすると、ほとんどドラマを演じることなく、素早い加速が可能だ。エンジンは、低回転では怠惰な印象だが、4000rpmからリミッターの効く6500rpmまでは本当に力強いフィーリングだ。ターボのレスポンスも鋭い。

トランスミッションのマッピングも印象的だった。些か古臭くなったオートマティック・ギアボックスを生き返えらせたとも言える。メカニカルなフィーリングにかけるパドル・シフトだが、印象的なスピードがスムーズに発揮される。ただし、シフトダウンはあまりうまい方ではない。

高速道路ではリラックスしたドライブが可能だ。また、ワインディング・ロードに足を向けても、ハルデックスによる巨大なスタビリティが素早いコーナリングを可能としてくれる。ステアリングは、適度な重さで正確だが、やや路面からのインフォメーションを伝えることが苦手なようだった。

その乗り心地はベストに近いもの。固いシャシーにもかかわらず、英国の道でも飛び跳ねるようなことはなかった。

■「買い」か?

確かに高価なモデルだ。しかし、アウディS4アバントは、装備の豊富はV60よりも更に£2,000〜3,000(35〜50万円)ほど高い。英国での割り当ては125台ということだが、この速いエステート・モデルを望む125人は、充分に幸福に違いない。

(リチャード・ウェーバー)

ボルボV60ポールスター

価格 £49,775(856万円)
最高速度 250km/h
0-100km/h加速 5.0秒
燃費 9.8km/ℓ
CO2排出量 237g/km
乾燥重量 1834kg
エンジン 直列6気筒2953ccターボ
最高出力 350ps/5250rpm
最大トルク 51.0kg−m/3000-4750rpm
ギアボックス 6速オートマティック

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