中古車対決! ポルシェ・ケイマンS vs ランボルギーニ・ガヤルド

公開 : 2014.09.01 23:50  更新 : 2017.05.29 19:33

2世代目のポルシェケイマンはAUTOCARの試乗テストで5つ星を獲得するほどの実力をもつ、現代のジュニア・スポーツカーのベンチマークとも言えるクルマだ。

175psを発生する2.7ℓ版が£39,694(686万円)、326psを発生する3.4ℓのケイマンSは£48,783(843万円)であるが、実力を考慮すれば£73,509(1270万円)の911カレラとも充分に張り合うことが出来るほどのバリューがある。

しかしながらオプション価格に矛先を向ければ、たちまちケイマンの立場は揺らいでしまう。テストに連れだしたレーシング・イエローのケイマンSを例に見てみよう。まずは動力性能に関するオプション。カーボンセラミック・ブレーキは£4,977(86.0万円)、PASMアダプティブ・ダンパーは£1,700(29万3千円)、スポーツクロノ・プラス・パッケージが£1,084(18万7千円)、トルク・ベクタリングとLSDが合わせて£890(15万4千円)、エアバック付きの軽量レザー・バケットシートが£2,226(38万5千円)となる。

バルブ開閉式のスポーツ・エグゾーストや20インチのアロイホイール、パーキング・センサーや衛星ナビゲーションを追加選択したことにより、テスト車両はあっという間に£65,573(1,133万円)まで膨れあがり、大台を軽々と超えてしまったのである。

印鑑を押すまえならば、ジャガーF-タイプ V6 Sやロータス・エボラS、BMW M4などの魅惑的なライバルと大いに迷うことの出来るほどの価格なのだ。と、ここまでなら単なる新車比較と変わらない。

今回は中古車の同価格帯であるランボルギーニガヤルドと比べてみようというわけだ。

比較対象のガヤルドのエンジンはV10。最高出力は500psに達する。ご存知のとおりアウディによる出資を受けて制作されたランボルギーニで、今現在の中古車市場価格は平均で£55,000(950万円)程度に落ち着いている。写真の車両の走行距離は3万9千km、現時点では£67,500(1,166万円)のプライスタグが掲げられる。

なおこのガヤルドは社外の触媒に変更されており、マフラー出口もトゥビ製のものに交換済み。この音がともかく煩い。テストに使用した敷地内では終始張り裂けんばかりのエグゾースト・ノートを轟かせ、普段から決して静かでないクルマに触れている編集スタッフも苦笑いしてしまう始末だった。

年式が年式だけに、セミATのE-ギアはお世辞にも機知に富んでいるとは言いがたい。今やポルシェの生み出したPDKデュアル・クラッチ・ギアボックスがこの世界を支配しているだけに尚更である。そう考えるとMTの方が賢明な選択と言え、こちらのガヤルドにもMTが組み合わされていたのは幸運だった。

ちなみに2004年式のこちらのモデルは四輪駆動。ケイマンは後輪駆動のみの設定となっている。

それぞれのクルマに乗り込めば、いかにガヤルドのインテリアが豪奢であるかがわかる。天井にはアルカンターラがたっぷりと貼り巡らされ、シートだけでなくドアの内張りやダッシュボードもレザーで覆われる。ポルシェの場合、プラスチックだらけのインテリアをレザーで隠そうとすれば£1,428(25万円)の追加資金が必要になることも頭においておかなくてはなるまい。

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