オーセンティックカーズの小松です。

今回のディテール比較はフロントカウルです。S1からS2へとボディ自体が大きく変わった中でも、やはりヘッドライトが変わったフロントの変化が最も変化が顕著な部分でもあります。

将来のパフォーマンスアップ時に対応できるようにフロントグリルの両サイドにオイルクーラーの装着を想定したサイドダクトが設けられたのも大きな変化の一つでもあります。

しかし、今回特に注目したいのはフロントカウル上面のアウトレット周りの造形です。写真はS1から順を追って年式が新しくなっていき、最後のシルバーの個体が現在の最新モデルとなりますが、どこが違うかわかりますでしょうか。アウトレットの開口部がだんだんと大きくなっているというのもありますが、一番の違いは「彫りの深さ」とても申しましょうか、アウトレットのグリルが年式が新しくなるごとにカウル正面に上がってきていることがわかると思います。そしてそれに従ってセンターのリブがだんだんと華奢になってきていることにお気づきでしょうか。

これは年々厳しくなってきている歩行者との衝突時の保護性能を向上させる目的でアタリを柔らかくする方向での変化なのです。少量生産のスポーツカーといえどもクルマ社会の一員であることには変わりありません。自動車にとって歩行者の安全確保というのは永遠の命題でもあります。パフォーマンスの向上を図りつつも歩行者への配慮を怠らない進化。しかしそれが決してデザイン上の退化とならないところにロータスのデザイン力の底力を感じます。