法定点検とBSPでしっかりとメンテ
ステラモータースの山本です。
こちらのBMW 330Ciのお客様は12ヵ月点検とBSP(ボッシュ・サービス・プログラム)でご来店いただきました。
まずはロボコンでエアコンのメンテナンス。もとより冷えは悪くありませんでしたが、ガス量の減少でやや甘い効きでしった当店ではその後にWAKO’sパワーエアコンも注入しております。パワーエアコンは、洗浄分散性が高く、配管内の汚れを一カ所に留まらせることなくガス全体に分散させ、エキスパンションバルブやエバポレーターを詰まらせない役割があります。
作業を進めると、ファンベルトの劣化とテンショナーのガタ、ウォーターポンプからの冷却水漏れがありました。また、アイドルアクチュエーターの内部コイルの劣化から、数値の乱れが出ていました。
リアの足回りでは、ブッシュ及びボールジョイントの劣化が目立ち、走行性能にも少し影響が出ていたようです。E46の作業では、毎週のように入庫があり、やはりガタや亀裂によって走りにくさを感じている方が多い部分です。フロントのブッシュやロアアームは、症状がわかりやすくご指定での交換後依頼が多いのですが、車両の直進性のほとんどを決定するのがリアのブッシュ類と思って頂いてもいいでしょう。
ラムダセンサー(O2センサー)も、交換時期が近くなっていました。ラムダセンサーの判定基準は、きちんと指標がありますので測定して良否の判定をします。
ブレーキマスターシリンダーの奥の方にある部分、DSCプレッシャーセンサーでエラーが入力されていました。左ハンドルのクルマは、特に手が入りにくく作業に難儀します。難儀すると言うことは、作業を慎重にということの裏返しですね。
BSP(ボッシュ・サービス・プログラム)のご依頼も同時にいただいています。BOSCH製の診断機”KTS”を使用して、コントロールユニット診断をします。新しい車種ほど、各部をコンピューター制御としていますので、気づかないエラーがクルマの動きを妨げていることがあります。排ガス測定から、エンジンの燃焼状態をモニターし、エラーとして記録されないわずかな不具合をあぶり出します。最後に、BSPのメニューのひとつであるアライメント測定・調整で完了となりました。
その他には以前より『ヒューヒュー』音がするとのことで、その解消も行いました。この音、よく聴くと2種類の音が出ていて、一つはインテークマニホールド内部で音が響いていました。このあたりは共鳴してどこで音がしているかわかりづらいんですね。一カ所ずつパーツを外して音を探ることもできない難しい部分です。インマニからの音は走行中にエンジン回転が上昇するにつけ聞こえてきます。
もう一つの音の原因はオルタネータのベアリングでした。ベアリングがダメになるとよく『シャラシャラ』音が出ることが多いですが、今回は『ヒューヒュー』音となって耳障りなアイドリング音になっていました。こちらはリビルド品のオルタネータに交換して解消しました。
E46やE39は、車体の外観がしっかりしたクルマが多いですので、クルマの経年劣化気づきにくいですが、実は診断をしていくと思わぬ部分の不具合が見つかります。まとめて手を入れると、気づいたらビックリする金額になりますので、まずは点検をしてメンテナンスの計画を立てていくことが長く乗る秘訣かもしれません。