電圧ロスが原因の発熱
■3枚
レッドポイントの赤座です。
電気系の基本メンテナンスを行わないまま、10年ほどの年月が経過するとどうなるか? 今回は『電圧ロス』のもたらす悪影響を検証してみました。
車両はアルファ156GTAです。電圧ロスが大きく発生していると、いろいろな形で現れます。今回はそれが異常加熱という形で現れました。バッテリターミナル付近に手を触れた際に、異常に高温になっている場所があったので実際の温度を測ってみました。非接触式の温度計を対象物向けるとなんと115°に!。どう考えてもこの温度は異常です。指先で触れた際に軽いやけどを負うほどでした。高温になっていたのは、バッテリーターミナルより分岐し、ずらりと並ぶマキシフューズへ電源を供給するところです。この部分の接点が度重なる接触不良の積み重ねで接点抵抗が増大したことにより、今回のような状況が発生しました。
では、この発熱部分で生じている電圧ロスを見てみましょう。最も電圧ロスの大きい「A」に対してバッテリポスト「B」との間に何ボルトの電圧差があるのか?「V・A メータ」を用いることで、アナログによる電圧差(ロス)測定が可能です。ご覧の様にA〜B間に発生する電圧差は 0.8V と確認できます。計測時、電動ファンが作動する瞬間は この電圧が 1.2Vまで跳ね上がります。電圧ロスは、各部への供給電圧が下がるだけでは無く、この様に熱へと変わるものなのです。これがバッテリターミナルメイン部で発生すると、セルモータを回すことができなくなります。
問題箇所を直接確認すると、やはり黒く変色をしています。熱により焦げているのですね。付近にはプラスチックが溶けた残骸も落ちていました。この様な状況を回避すべく用意しているのが ステージ1メンテナンス です。
今回の様に酷い状態となる前に、手を打つ これが大切だと考えます。