アルファロメオ1300ジュニア・ザガート修理レポート その3
オートクラフトの野田です。
いよいよアルファロメオ1300ジュニア・ザガート修理レポートもその3になりました。
さて、今回はホイールアライメントです。
これもよく、SNS上で「ホイールアライメントはみてもらった」と割と軽く謳われておりますが、さまざまな車種の4輪ホイルアライメント調整を作業されてきた方なら分かって貰えると思いますが、この仕事は決して軽いものではありません。代表例として、W124メルセデスのように調整箇所がたくさん有る場合、調整は効くのですが、調整が効くだけにどこまでも追い込めてしまう。また大抵の車両はフロントのトーしか調整出来ず、ユーザー様へボディ加工の必要性を説くことから始めなければなりません。
今回のユーザー様からは、「もうある程度はやっちゃってください」指令いただき、作業開始。ことの始まりは、空走状態が重い。過程を全部語りきれないので、省略させてもらい、まずは。
1.ホイールベースの矯正(旧車では驚くことはありません)。
ブッシュやらボールジョイントやら軸受けベアリングやらのガタ、劣化が確認できない状態が前提で、4輪ホイールアライメント測定しての判断です。加工の説明は省きますが、直進はリアが基準です、リアを矯正しました。加工を済ませ4輪ホイールアライメント調整し、ロードテスト。・・・左流れ、ブレーキング時挙動、ハンドル切った際の感覚、おかしい、何かおかしい納得できない。そして次へ。
2.ステアリングギアボックスのセンター出し(ボールナットのギアボックス車は、いい加減に組まれてる場合ありますが、当然オーナーさんは気がつきにくいと思います)。ステアリングホイールを外すと、この手のロメオはセレーションではなくキー溝タイプ、普通直進時キー溝が12時の位置にあるはずがなんと、4時位のところに居ました!!!さてフリダシに戻り、間違い探しの始まりです。ギアボックスのセンター出して、各ロッドの長さを規定値内にして、またテスターつけて4輪アライメント調整、ん、ん何か変、ステアリングストッパー間違ってる!もー、左右逆つけてるし。直して、ロックtoロック合わせ、ロードテスト。・・・かなり違和感払拭できましたが、フルブレーキング時の挙動と、1名乗車2名乗車時の挙動の違い、う~ん納得できない。
3.車高調整
右前をわざと少し下げてもらってるとのことで、左も右に合わせる方向で調整。ここでフロントサスペンションパーツの誤組みもあらわになり、矯正することに。バラして組み直された車両は、どんな人為的ミスが潜んでいるか分かりません。組む人間が、そもそもバラした通り組んでるのか、あまり考えずパーツが付くからと組んでるのか、外した車と違う車のパーツを組んでるとか、いろんなことが考えられます。またテスター装着し、4輪ホイールアライメント測定、調整、それでロードテスト。
・・・しかし残念ながらほとんど変化なし、フルブレーキング時の挙動が、、、、、ここまで診たんだから直したい。無いアタマをひねってイメージします、フロントスプリングがたとえば片側排気量の違うロメオ用だったりなのでは?ここでオーナー様と相談、この状態で乗ってみるとのこと。まぁ、今回入庫時よりはかなり楽しい乗り味の車に仕上がりました。
あとは弊社のこのような姿勢が、このオーナー様の肌と会うかどうか。どうか喜んでもらえますように。オーナー様の感想をいただけたら、次回へつづく。