メルクライムの生天目です。

近年、W113型のSLをはじめとしたオールド・メルセデスの評価が高まり、当社へのレストア依頼や
『レストア済』車両を購入されたお客様からの点検・整備のご依頼も大変多くなってきました。

旧車ブームによって一般のお客様の旧車への見聞も深まってきた昨今では、
さすがに外装をパーッと塗っただけで『フルレストア済』なんて触れ込みで売られている
クルマは見かけなくなりましたが、それでもヒトはパッと見のキレイさに惑わされるものです。

そういった『レストア済』のクルマであっても、点検のご依頼を受けて各部の点検を行っていると
ATミッションからのオイル漏れや、燃料ラインからのガソリン漏れといった
見逃すことのできないトラブルを抱えていることも見受けられます。

その他にも足廻りの部品の組み付け方が正しくなかったり、交換しづらい部分のゴム部品が
交換されていなかったり、防錆の処理が適切ではなかったりといったケースも見受けられます。
恐らくは旧いメルセデスの整備を専門とされていない方が作業をされたのかもしれません。
このままの状態で乗り出せば、各部から異音や不具合が発生するでしょうね。

別にアラ探しや批判をしているわけではないのです。キレイなオールド・メルセデスが一台でも多く
遺ってくれることは、喜ばしいことです。キレイに仕上がったクルマを手に入れて
ガレージのコレクションとして飾られるならば、こういった部分もあまり問題ではないと思うのですが、
この時代のメルセデスは、今でも充分に普段遣いができる性能を持っています。
やはり積極的に乗っていただいて、その素晴らしさを味わっていただきたいのです。

旧いクルマの場合、どんなヒトの手で整備・修理し、組み上げられたかという部分が重要だと思います。
ですので、オールド・メルセデスをお探しの際は、専門家と一緒にクルマを見ることをお勧めします。
それが良いクルマを手に入れる堅実な方法といえるでしょう。
もちろん、当社にご相談いただければ、良いクルマと出逢うお手伝いをさせていただきますよ。