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ドカティ750 F1 マフラー、こだわった塗装方法、ご注目

 

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オートプレステージです。
現在、名古屋店に展示中の1985年 ドカティ 750 F1 《1型》
以前はいくつか社外パーツを装備しておりましたが、純正パーツを用いて出来る限りオリジナルの状態に近づけるためのレストアを弊社で行いました。
作業内容はブログに掲載しております。ぜひVol.1からご覧ください!
その中でも特にご注目いただきたいのが、マフラーの塗装です。
 IMG_7923.jpg
純正マフラーに施されているのは黒メッキですが、弊社では環境問題に配慮し今回は再メッキを行っておりません。
その代わりに弊社の塗装専任スタッフが通常の塗装方法で黒メッキを完全に再現しました。
▼大まかな工程はこちら
[1] 調色と下地作り
[2] メタリック(シルバー)を塗装
[3] クリア①を吹く
[4] クリアと黒を混ぜたものを塗装
[5] クリア②・③を吹く
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[1] 調色と下地作り
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テストピースを使って最終的に再現したい色(今回は黒メッキ調の色を目指します)を調整します。
次に工程[2]で使うシルバーの調色をしていきます。
シルバーは光が反射することによりメタリックが輝いて見えます。
メタリックの粗さによって仕上がりは変化し、粒子が細かいとフラットに、粗いと細かいものと比べてより光輝感が得られます。
工程[4]で使う黒クリアの塗料は、≪工程[2]のシルバーをどれくらい隠ぺいするか≫という点を考慮しながらクリアと黒の比率を考え、塗装を重ねるベストな回数を決めていきます。
ここでは長年培ってきた技術や感覚が重要で、弊社のスタッフだからこそなせる業(わざ)です。
サフェーサー(下地塗料)は、#800のペーパーでやすりをかけます。
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[2] メタリック(シルバー)を塗装
シルバーにムラが無いように、またホコリが乗らないように細心の注意を払います。
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[3] クリア①を吹く→磨(と)ぐ
万が一ホコリが乗った場合は工程[2]に戻ってやり直しとなるため、
ここでもホコリなどが乗らないよう注意します。
この工程は上に塗る黒クリアが剥がれてこない為の足付けであり、クリアを磨ぐことよりもクリアを塗り透明な層を作ることが重要です。
クリアを吹いた後は#1000で鏡面磨きしていきます。
塗装は下地がかなり重要です。塗装スタッフにインタビューしました。
【Q】今回の下地作りで注意したこと、苦労したことは何ですか?
【A】クリアを鏡面化し、尚且つメタリック層まで磨ぎ過ぎないよう心掛けました。どのくらい磨いたら良いのかはクリアの厚みによって異なり、経験が必要になります。
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[4] クリアと黒を混ぜたものを塗装
工程[1]で決めた、《クリア9:黒1》の比率で混ぜた塗料で《3回》重ねて塗装していきます。
ここでも色ムラが無いように注意します。
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[5] クリア②・③を吹く
ポイントは、クリア②の段階でも#1000で磨くこと!
各クリアを磨ぐ事で平滑化し、独特で美しい仕上がりとなります。
クリア②の上にクリア③を塗る理由は深みを出すためです。
黒メッキ調の層はこのようになっています。
(上)
↑ クリア③
│ クリア②
│ 黒クリア
│ クリア①
│ メタリック(シルバー)
│ サフェーサー(下地塗料)
(下)
メタリック(シルバー)
│ サフェーサー(下地塗料)

(下)

塗装の層.png

クリア層に幅があることで、上層を透過した光がメタリックに反射したときに、メタリックと黒クリアの間に深み(メタリックが遠い所で輝いている状態)を生み出すことができます。
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以上が今回マフラー塗装で作業した内容です。
ここには書ききれないほどの細やかな作業、そして苦労もあったようですが、それはまた別の機会でお伝えできればと思います。
ぜひ皆様の目で、この美しい仕上がりをご覧ください。
マフラーだけでなく、他のアルミパーツやホイールなども完璧に仕上がっております!

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