こんにちは、レッドポイントです。
ルノー・カングー1の車検整備に併せてタイミングベルトの交換を行います。
お客様曰く「いつ頃ベルト交換したかわからない」とのことでしたので、
整備項目の拾い出しの際にベルトカバーを開けて状態の点検を行います。
見たところベルトの背面にはたくさんのヒビ割れが。
これは今回交換すべきですとご案内させていただきました。

クランクプーリーの裏側にはうっすらですがオイル滲みがありました。
ここからの漏れはクランクシャフトシールなのか、オイルパンの継ぎ目なのか判断に悩みます。
調べたところオイルパンの継ぎ目からの漏れでした。

　
こちらは取り外したベルトとアイドラプーリー。
プーリーは見た目ではわかりませんが、ベアリングがすごく悪くなっており、間一髪。
昔に何度か見ましたが、このK4Mエンジンはアイドラプーリーが悪くなり、
樹脂部が破損することがあります。そうなるとベルトが切れたのと同様の事態に…

　
ペッタンコに潰れきったエンジンのアッパーマウント。
ゴムの力で重量を保持し、封入されたオイルで振動を吸収する構造です。
今回取り外したマウントは、ゴムは潰れておりオイルは抜け出ていました。
納車時に説明した際にお客様は「信号待ちでの振動が酷くなってきて不安だった」とおっしゃっていました。
これでその症状がなくなってくれれば良いのですが。

その他にも作業中に目に付いてしまって気になったところの対処も行います。

インテークマニホールドのボルト。
5本中2本も抜けていました。これは二次エアーを吸っていたと想像できます。
盛大に吸うというほどではないですが、ECUが空燃比補正をかけながら
不具合を防いでくれていたと考えられます。

仕上げにエンジンルーム内の傷んだ配線保護材を手直しして完了です。
永く乗ればそれだけ各部も傷みます。
この先まだまだ乗れるクルマにするために、いくつも細々とした手直しも行います。
ロボットや診断機ではできない分野の作業ですね。