ボナムス・グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード・セール

●2015.06.26　チチェスター／イギリス 世界的なクルマ・イベントとなったグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの中でボナムス・オークションが行われた。世界中から関係者からファンまでが集まるイベント共催だけに、ボナムス選りすぐりのモデルが用意された。  
まさに動く博物館といえるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード（GFOS）は、回を重ねるごとに発展を遂げている。いまや世界中の自動車メーカーがこぞって参加し、新型車の発表から歴史的なモデルを始めF1マシンのデモランまで行われ、世界中からファンが集まるイベントに成長した。それだけに、プログラムの中にはコレクターズカー・オークションが組み込まれ、ここでも大いに盛り上がった。 ボナムスが主催するグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード・セールには選りすぐりのコレクターズカーが88台用意された。イギリスを舞台としたイベントだけに、アストン・マーティンが11台、ジャガーは14台の出品を数えた。もちろん最近のオークションの主役と言えるフェラーリは9台、ポルシェは7台が用意された。 ここで最高落札額を記録したのは、グッドウッドらしくワークスで使われた1935年型アストン・マーティン・アルスター LM19だった。錚々たるドライバーによる素晴らしいレーシング・ヒストリーを持つ貴重なモデルだけにダントツの5億6814万円で落札された。 これに続いたのは、かつてスターリング・モスが所有していた1961年型ポルシェRS61の3億7158万円、6台のみが作られた1998年型メルセデス・ベンツCLK GTR ロードスターが2億9514万円、ここ1年で人気を高めた1963年型アストン・マーティン DB4 シリーズV コンバーチブルの1億8812万円で落札された。 ここに2004年型エンツォ・フェラーリ／1億7502万円と、1964年型アストン・マーティン DB5／1億513万円を記録し、この６台が億越えとなった。 ここでもマラネロ・ロッソ・ミュージアム放出車のASA1000GTとアバルトが3台出品された。全体的に並のコンディションだったため、リーズナブルな額で落札されている。このうち700ビアルベーロは、ボディが改造されオリジナル度が低いため785万円と安めだった。 最近人気急上昇中のフェラーリ308GTBヴェトロレジーナ（FRPボディ）だが、ここに出品されたのは右ハンドルでホイールやマフラーが交換されオリジナル度が低かったにもかかわらず、2301万円を記録した。注目したいのはF512Mで3961万円まで値を上げている。最近日本から輸入された550マラネロが2323万円で落札されたことも見逃せまい。 このほかのモデルでは、ジャガーEタイプは各タイプで着々と値を上げており、シリーズIIIも注目されるようになった。 皆値を上げるご時世にあってロータス・エランは、なぜか評価されずに以前とそう変わらない値段で取引されている。同様にマセラティ・ギブリも足踏みを続けている。 グッドウッドらしいアイテムと言えば1990年シーズンを闘ったウイリアムズFW13Bルノーだ。テリエ・ブーツェンがドライブしたマシンで、オリジナルのルノー・ルニットが搭載されているが、要オーバーホール状態の不動車だったため1995万円に留まった。