アウディRS7 “自動運転” 助手席インプレッション

ツインターボの4.0ℓ V型8気筒は560psの最高出力と71.3kg-mの最大トルクを叩きだす。ドイツはザクセン=アンハルト州にあるオシャースレーベン・サーキットのピットを飛び出し、第一コーナーに差し掛かった時にはすでに193km/hに達していた。

と、ここまでの文を読めば、なんだいつもの試乗テストか…などとお思いの読者もあるかもしれない。ただしここから先はあなたの考え得ないことが起こるということを、先に述べておこう。

なぜか。”193km/hに達していた” 時、RS7の運転席は無人だったのだ。実はこのクルマ、走行に物理的な ’運転手’ を必要としないのである。

運転手の役割を果たすのは、クルマの周囲に設けられた、センチ単位で車両の位置情報を感知する一連のセンサー群と、GPSによる誘導システム、トランクルームの前方に敷き詰められたアウディ独自のソフトウェアを作動させるコンピューターだ。3.7kmに及ぶオシャースレーベン・サーキットをいかにして速く走ることができるかを追求した、ブレーキや加速、シフトチェンジなどのデータが叩き込まれている。

筆者が通常のRS7でマークした1分57秒との差を、ウェットコンディションであったにも関わらず、’無人機’ は涼しい顔をして、あと一歩のところまで縮めてきたのだ。

アウディは、ここから数年の間に法改正を含めて無人運転を取り巻く環境は大きく変わることを予想し、実際のプロダクションにも適合可能な無人機能をもつコンセプトカーとして、このモデルを作った。

ドイツ国内ではアウディのライバルであるメーカーも完全自立型のクルマ作りの励んでいる。彼らに共通しているのは、なにも人間の不意のミスによるリスクを減らすだけではなく、日常的な運転、あるいはサーキットなどのレースなどでもこの技術を役立てようとしている点だ。

 
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