特別企画

2018.06.29

ベントレー、手仕事の驚異 ファクトリーで目の当たりにした「特別」への探求

第1回:ベントレー・コンチネンタルGT 400kmの旅で探るスポーティとラグジュアリー
第2回:ベントレー、手仕事の驚異 ファクトリーで目の当たりにした「特別」への探求
第3回:2台の「コンチネンタル」に試乗 大きく異なるキャラ、ベントレーの歴史を語る
第4回:ベントレー、意匠のインスピレーションどこから? デザイナー語る過去と未来
第5回:コンチネンタルGTの「レシピ」 ベントレー主要部門のリーダー語る、開発背景
   ― シャシー開発部長編
   ― W12エンジン設計部長編
   ― 電気電子機器部長編
第6回:プロトタイプに試乗 ベントレー新型コンチネンタルGT 偽装の下に見えた希望
第7回:ベントレーのビジネス、新CEO就任でどうなる? AUTOCAR独占インタビュー

 
ベントレーの顧客がクルー工場に招待され、クルマを製作するクラフトマンシップをまじかに見学するため、AUTOCAR英国編集部のレイチェル・バージェスが見学ツアーに参加した。

AUTOCAR JAPAN sponsored by ベントレー・モーターズ・ジャパン

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
photo:Luc Lacey(ルーク・レイシー)

もくじ

真髄
内装が完成するまで
「狂気」さえ感じるこだわり
特別であるという使命
番外編 ツアーガイド、糸、そして羽根

真髄

2017年、ベントレーのクルー工場は1万552台のクルマを製造した。ベントレーの親会社であるフォルクスワーゲンのドイツ・ヴォルフスブルク工場が79万台であることを考えるとしかし、この数字は大海の一滴に過ぎない。

そのかわり、細部へのこだわりでは負けていない。クラフトマンシップにかけてはベントレーはフォルクスワーゲングループの輝ける真珠なのである。

製造工程のうち80%の時間が「サブ・アセンブリー」、つまりエンジン部門やウッド・トリム部門で費やされており、そのほとんどが手作業である。通常の工場ではこのような製造工程に費やされる時間は20%程度であるということを考えると、こだわりの強さが理解できる。

2016年にSUVのベンテイガがラインナップに加わって以来、8億4000万ポンド(1200億円)の投資が行われた(そのうち、1億2000万ポンド(173億円)が工場の改善に回された)。その結果、ウッド・トリム部門は拡大され、スタッフは世界中の顧客からのインテリアの注文に応えるため、以前にもまして忙しい状態だ。

その顧客たちが購入の一環として工場見学ツアーに招待された。これに対応するため、ベントレー・エクスペリエンスというチームがつくられた。デビッド・ベッカムから女王に至るまで、ベントレーを持つ裕福なVIPたちをもてなすのだ。

この格式あるツアーのコンダクターのひとりが3ピースのスーツに身を包んだナイジェル・ロフキンだ。「このスーツはギーブス&ホークスのものです」と彼は言う。「ロンドンまで行き、採寸してもらいました」

ツアーの最初の停留所はウッド・ルームだ。棚は異国の木材でいっぱい。むろんすべてベントレーの基準を満たすものである。インテリアのパネル材としてベントレーでは8種類の木材が選択可能だ。最も人気のあるのはバーウォールナットだが、バボナのように最高級のミュルザンヌにしか用意されない特別なものもある。

特別なもうひとつは花梨だ。特注を扱うベントレーの子会社マリナーの製作したモデルでしかオーダーできない。インドネシアの崖にしか生えない木なのだという。「崖の上から真下に降りないとこの木は手に入れられないんです」ロフキン。他にはマドローナ、クリ、タモ・アッシュ、コア、それにバードアイ・メイプルなどがある。 

next page内装が完成するまで

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