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おもいでのボルボ940エステートを復刻! 美しいペイントは手間を惜しまず

 

こんにちは、カムズファクトリーの武藤です。

お客様からのオーダーで製作中のボルボ940エステートの復刻車。
前回はボディのリフレッシュ作業のための下地作りをご紹介しましたが、
今回はいよいよ塗装にとりかかります。

ボディリフレッシュの最終工程であるペイント作業は塗装ブース内で行うため、車両をブースに移動、
まずは前段階として塗料が余計な部分にかからないように念入りにマスキング作業を施します。

 

これがマスキングを終えたところとなりますが、この後にペイントの前にはまだ最終のキズのチェックと
不純物の除去を行います。実はこの不純物を取り除くことがとても重要です。不純物とはワックスや油分などが
塗装面に付着していることで、これがある塗装した際に塗料が弾かれてしまい、ピンホールと呼ばれる
針の先ほどの小さな穴が塗装面にできてしまうことがあります。
このハジキを防止するために、ペイントマンは不純物の除去を執拗に行うのです。

 

さて、いよいよボディに本番のペイント吹き付けを行います。
塗料をスプレーすると、ボディ表面に光沢が備わるとともに、塗装面の状態もはっきりとわかるようになります。
塗装面の微細な凹凸もはっきりと目で確認できるようになっていますね。これが塗装スタッフが平準な下地を
作り込む理由でもあります。光沢が増せばその塗装面が平準であるかどうかが一目瞭然になってしまいます。
塗装技術の良し悪しを見分けることができる部分でもありますね。

 

せっかくペイントしても、少し横から見たときに凸凹していたら、質感もあったものではありません。
写真ではボディに蛍光灯が写り込んでいますが、横にまっすぐに写っていますね。これが曲がっていれば
線が歪んで見えるのです。

 

 

ボディの塗装と並行して前後バンパーや細かな部品類のペイントも進めていきます。
今回、前後バンパーは新品に交換します。このバンパーは未塗装の黒い樹脂がむき出しになっている部分が
大半を占めるものですが、ご存知の通り無塗装の樹脂はどうしても経年劣化で朽ちた状態になってしまいます。
「新車当時の状態を取り戻す」となると、新品のバンパーが入手可能ならば、交換してしまうのが一番です。

黒い樹脂の素地を残す部分をマスキングし、バンパーもボディと同色でペイントします。
ここでも潤沢な光沢感を出すために、塗り重ねを行います。

また、ドアモールなどの細かなパーツも同時に作業を進めましたので、
この後はパーツ類をボディに組み付けていくことになります。