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930型ポルシェ911 SC 燃料システムの修理/Kジェトロ

メッツスピードの鞍貫です。

本日は1980年製930型ポルシェ911 SCの燃料システムの修理をしています。

ボッシュのKジェトロ式燃料システムは、1973年のポルシェ911Tから1994年の964型ポルシェ911ターボまで長く採用されていた機械式のインジェクションシステムです。

今回のSCはこのKジェトロのサージタンク的な部分がバックファイアにより割れてしまい、正確な空気量が測れなく調子が出ない、と言う症状。

ざっくりココを交換すれば直りそうな感じですが、なぜバックファイアが起きたのかを考査しないと完全な修理完結にはなりません。

まずは点検からですね。

Kジェトロは電気信号の変わりに、様々な付帯部品を燃圧で制御してバランスをとっています。

ので、キモになるのは燃圧と残圧。

エンジン始動中の燃圧と、エンジンが掛かっていない時の残圧を測定。この車両、冷間時の始動は問題ないのですが再始動が苦手。

作業を進めると・・・。

エンジンが掛かっているときの燃圧は少々低いですが基準値以内。

残圧は・・・保持が出来ていない状況ですね。

エンジンを切ると、たちどころに圧が逃げてしまいます。

再始動が困難なのはこの残圧が逃げてしまっていたのが原因ですね。

これはアキュームレーターと言う、残圧保持装置の劣化が多いです。

冷間時はコールドスタートバルブ等、チョークの様な機構が助けてくれますが、温感時の再始動はフューエルライン内の残圧が頼みの綱。

ここがダメだと再始動時燃料が上手く出ません。

結果、アクセルを沢山開けてしまい不安定な混合気に着火してしまいバックファイアに繋がっていたのだろうと判断しました。

今回はフューエルアキュームレーターと割れてしまった箱を交換していきます。

この作業、エンジンルームに作業スペースが無いのとインマニが組みにくいのもあって、当社ではエンジン半分降ろすか全部降ろして作業しちゃいます。

このほうが作業も早いし、正確な作業が出来ますからね。

で、やはり交換後はいとも簡単に再始動OK。アクセル踏まなくてもエンジン再始動が出来ます。

キチンとシステムに適正圧力が掛かっていれば、Kジェトロも気持ちよく運転できますね!

 

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