ストリートライフの吉野です。

昨年から何度もご紹介していたフロント周りを大破してしまったランチア・デルタ・ジアッラ。

フロントパネルとメンバーは曲がり、ステアリングラックやミッションマウントは割れ、

ボディのダメージはルーフにまで及んでいました。最近のクルマですと間違いなく「全損」

の判定となる事故でしたが、当社にお預けいただいた以上、必ず直して見せますとお約束し

約1年、完全修復となったジアッラはついにお客様のもとへと還ることとなりました。
　
　

納車直前にボディを磨き上げたジアッラを祝福するかのように多くのデルタに囲まれています。

偶然ですがこの日はいつも以上にジアッラの多い日でした。
　
　

さて、積載車の車上となったジアッラ。先日は四国へ向かった当社の積載車ですが、

今回目指すのは真反対となる岩手県は盛岡です。前回同様に安全確実にお届けするために

当社スタッフ自らが丁寧な運転で北へと向かいます。

常磐道を北上するにつれ目に入ってきたのは道路際の「放射線量」の警告看板。

一見するとのどかな田畑と田舎の風景ですが、よくよく見ると

住む人がなく伸び放題の草木に覆われて荒れた家々と田畑が続きます。

また、海側はまるで分譲前の新興住宅地のように、建物も何もない風景が海まで開けています。

テレビなどで報道されることは少なくなってきましたが、ここはまだ震災の真っ直中なんですね。
　
　

そして岩手の最高峰、岩手山が前方に見えてくると盛岡ももうすぐ。

お客様とお約束したドライブインに到着しました。

親子でこのジアッラに乗られているというお客様。納車の日はお父様がお見えになり、

「本当は、もうあきらめようかと思っていたのですが、御社だからこそ直していただけたようなものです」

と大変にお喜びいただきました。しっかりと修復されたフロントセクションを確認し、

運転席に乗り込んでエンジンを始動。快調にアイドリングするジアッラの様子に

満足された表情は、ランチア・デルタを扱う者として、何ものにも換えがたい歓びでした。

岩手よりジアッラの修復をお任せいただきましたお客様、

これからも末永く大切にしてあげてください。
　
　

そして積載車は再び川崎のストリートライフへと･･･

今回は往復で約1200kmの旅となりました。