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964型ポルシェ911 RS CUP ABS修理/マメなブレーキフルード交換が大切

メッツスピードの鞍貫です。

本日は少々珍しい964型ポルシェ911 RS CUPABS修理を進めております。

近年の964高騰に引っ張られて、例外なく964RSもとても高騰していますよね。

964シリーズ、ターボモデルに双璧を成す希少人気モデルRS

市販モデル(RSRは今回除外)のライトウエイトモデルのラスボス的存在がCUPでしょう。

兎に角軽い。

RS同等の軽さに純正ロールケージ、ABSカットS/WやエンジンカットオフS/W

クローズドコースを最優先に考えた装備が与えられた、市販レーシングモデルですね。

今回はこの車両のABSを修理進めています。

人気モデルは例にもれず走行マイレージの浅い車両が多く、中には保管所で寝ていた車両も多々ありますよね。

車検が切れていても、たまにエンジンをかけていたという方も多いのではないでしょうか?

ガソリンとオイル回してあげるのはもちろん良いことですが、ブレーキにも液体が使われているんです。

ブレーキフルードは主にグリコール系という主材が使用されているものが一般的で、

このグリコール材は吸湿性がとても高く水分を含むと沸点が下がるという性質を持っています。

これを色々混ぜ物をして市販のブレーキフルードが出来ているのですが、やはり定期交換部位。

グリコール材が貯めた水分をそのまま放置しておくと、油圧回路内が錆だらけになってしまいます。

今回のABSユニットも診断を進めていくと、油圧コントロールソレノイドが動いていませんでした。

恐らくは錆や異物でのソレノイド固着。

964の年代のポルシェにはボッシュ製のABS2というABSユニットが使われています。

このABS290年代初頭から95年位まで使われていた3ソレノイド(前輪2系統、後輪1系統)ABSです。

現代の高性能ABSには敵いませんが、軽量化済みのレーシングモデルには必須。

ブレーキを安心して踏めないのは、メンタル的にも気持ち良く走れませんよね。

今回ボッシュのABSテスターのソレノイドバルブ点検モードで強制作動を繰り返し、ブレーキフルードを循環させてを繰り返し行いどうにか正常作動するところまで持っていきました。

テスター上でも路上テストでもABS作動が確認できました。

今回修理したABS油圧ユニットはリビルドができないらしく、アメリカを探しても出て来るのは中古だけでした。

図らずは転ばぬ先の杖、マメなブレーキフルード交換で乗らない個体でも的確な動態保存が出来ればなぁと感じました。

日本の気候は多湿な時期がありますので、1年に1度はエア抜き程度にフルード回して、2年に1度は全交換。

ABS付きのネオヒストリックポルシェはブレーキにも注意をしてみて下さい。

尚、全てのABS2ユニットの固着が解除できる訳では御座いません。今回は運も味方してくれたと思います。

 

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