キャバリーノ・クラシックス2015

2015.01.21〜25

text & photo:Keith Bluemel

 
恒例となったキャバリーノ・クラシック2015がフロリダのパームビーチで1月21から25日まで開催され、今回も数々の見事なクラシック・フェラーリに魅了させられた。本年も富裕層向け高級ホテルのブレイカーズ・ホテルでの連続24回目の開催で、パームビーチ海岸を望む素晴らしいオーシャンビューを舞台に、世界でも指折りの貴重なフェラーリがコンコルソ・デレガンツァのために芝生に並べられた。

このイベントはフェラーリ・オーナーを対象に、毎年十分な下準備を行ったうえで開催される。水曜にはパームビーチ・インターナショナル・レースウェイでテスト・デイが開催され、新旧のグループに別れ30分交代でコースに入った。日が暮れた後には、ブレイカーズ・ホテルで開催式とガレリア・デアルテ・プレビューが行われた。

木曜と金曜には様々なモデルが参加できる2種類のトラック・デイが開かれ、フェラーリとマセラティのクラシック・コンペティション車両を、ディスク・ブレーキ装着車とドラム・ブレーキ装着車に分けて実施した。また、別のレース・プログラムとして戦前のブガッティやアルファ・ロメオ向けも行われている。戦前モデルによるレースは、アルファ・ロメオ8C35を駆るピーター・グリーンフィールドが栄冠を手にした。ドラム・ブレーキ・モデルによるレースは250テスタロッサのクリス・コックスが勝利。ディスク・ブレーキ車両のレースは512BB LMを駆るジム・ファッチが優勝している。

また、木曜にはツール・ド・パームビーチが開催された。これはレースに参加しないドライバーを対象に、パームビーチの海岸地域を走るドライビングツアーで、ブレイカーズのメイン通りから数カ所のストップ・ポイントを経由して、今回のひとつめのパーティとなるジェット・レセプション(パームビーチ国際空港のジェット機用ハンガーで開催)を目指すものだ。ここで表彰されたピープルズ・チョイス賞には、トム・ハートレイJr.の250GT カリフォルニア・スパイダー(S/N:4121GT)が輝いている。なお昨年、ブレイカーズ・ビーチ・クラブで金曜夜に開催されたコンペティション参加者向けプールパーティの成功を受けて、今年も風船のなかに入った美女たちによるエンターテイメント・ショーが行われた。

例年のように土曜日はメインイベントであるコンコルソ・デレガンツァが開催される。クロケット場とホテル前にあるゴルフのグリーンには、150台ものエレガントで貴重なフェラーリが優雅に並べられた。ここまで、晴れ渡る空と照り付ける日光という天気が続いたが、1月には本来穏やかなはずのフロリダでコンコルソ当日だけはあまり好ましくない空模様だった。80%の確率で雨という予報にくわえ、強風と雷雨も見込まれていたのだ。しかし幸いにも大きくその予報は外れ、一日を通して曇り空が続いたものの、午前中に急な雨に一度降られただけで済んでいる。

コンコルソの会場ではメインエントランスの両脇に素晴らしい仕上がりの275GTB/Cスペチアーレが2台飾られた。1台は元エキュリー・フランコルシャンのS/N:06885で、1965年のル・マンで3位に入った個体だ。もう一方は、昨年の8月にモントレーのRMオークションに出品されたS/N:06701で、その後レッドにリペイントされている。

今年のスペシャル・フィーチャーは375シリーズで、ロードゴーイング・モデルの375アメリカから、スポーツレーシングの375MMまで大々的に展示されていた。そのなかにはユニークな個体も数多く、例えばジャンニ・アニエッリの375アメリカPFクーペ・スペチアーレ(ジャック&デビー・トーマス所有 S/N:0355 AL)、375MM PFベルリネッタ・スペチアーレ(レス・ウェクスナー所有 S/N:0490 AM)、2014ペブルビーチ・ウィナーの375MM クーペ・スカリエッティ(ジョン・シャーリー所有 S/N:0402 AM)などがあった。

このほかにも、なかなか目にすることができない興味深いモデルが展示され、212インテル・ヴィニャーレ・クーペが2台、250テスタロッサ、フェラーリ・クラシケによるレストレーションを終えたばかりの250GTOが1台(S/N:3445 GT)、412MI、250ヨーロッパGT、250GTボアノ、250GT LWBおよびSWBベルリネッタとカリフォルニア・スパイダー、それから60年代のものでは275GTS4 NARTスパイダーなど数多く目にすることができた。

毎年のことだが、審査結果はブレイカーズ・ホテルで行われるガーラ・アウォーズ・ヴィクトリー・パーティと発表会まで、明かされることがない。2015年のベスト・オブ・ショー・コンペティション・カーには1965年型ディーノ166P/206P(オーストリアのアンドレアス・モーリンガー所有 S/N:0834)が輝いた。ベスト・オブ・ショー・ロードカーには1954年型250ヨーロッパGTヴィニャーレ・クーペ(メキシコのハイメ&セシリア・ムルドーン所有 S/N:0359GT)が手にしている。

今回もミーティングの最後は、クラシックカー・サンデーと呼ばれる複数メーカーのコンクールで締め括られる。これは、パームビーチ海岸にあるドナルド・トランプ所有の宮殿を思わすマー・アー・ラゴ・クラブを舞台にした人気の高いイベントである。
キャバリーノ・クラシックスに花を添えるこのコンクールは、他のプレステージ・ブランドも含めて行われる。2015年のテーマはブガッティで、美しい戦前のモデルからヴェイロンのラインナップ5台が展示された。

豪邸の裏にあるなだらかな起伏のグリーンは、今一度表彰式とフェアウェル・ランチの舞台になった。魅力的なプールへと続くこの会場で “ロング・ウィークエンド”が終わろうとしている。このイベントで表彰される賞はすべて投票により結果が決まり、”ベスト・オブ・ショー”はJ.W.(ビル)&ドナ・マリオットJr.が所有する藍色と鮮やかな黄色が印象的な1938年型タルボ・ラーゴT150-Cの頭上に輝いた。

  • フェラーリ275GTB/Cスペチアーレ (S/N:06701)

  • フェラーリ275GTB/Cスペチアーレ (S/N:06885)

  • フェラーリ375MMピニンファリーナ・スパイダー (S/N:0364AM)

  • フェラーリ375MMピニンファリーナ・スペチアーレ (S/N:0402AM)

  • フェラーリ・クラシケは375MM (S/N:0370AM)を展示。

  • フェラーリ212インテル・ヴィニャーレ・クーペ (S/N:0267EU)

  • ベスト・オブ・ショー・ロードカーにはフェラーリ250ヨーロッパGTヴィニャーレ・クーペ(S/N:0359GT)が手にした。

  • フェラーリ250エウローパGT ピニンファリーナ・クーペ (S/N:0409GT)

  • フェラーリ250GTピニンファリーナ・カブリオレ・シリーズ2(S/N:2087GT)

  • フェラーリ250TR (S/N:0756TR)

  • フェラーリ412MI (S/N:0744)

  • ベスト・オブ・ショー・コンペティションに輝いたディーノ166P/206P(S/N:0834)。

  • フェラーリ250GT LWBコンペティツィオーネ・ベルリネッタ TdF (S/N:1321GT)

  • フェラーリ・クラシケでレストアを終えた250GT(S/N:3445GT)。

  • ピープルズ・チョイス賞に選ばれた250GT カリフォルニア・スパイダー (S/N:4121GT)。

  • フェラーリ365GTB/4デイトナ (S/N:12301)

  • こちらは308/328を並べたエリア。70年代以降のモデルは膨大な数が並んだ。

  • 参加者の注目を集めた奇抜なカラーリングのFF。

  • 日曜日に開かれたクラシックカー・サンデーでは様々なメイクスによる新旧モデルのコンクールが行われた。

  • 2015年のテーマはブガッティで、ヴィンテージ・モデルからヴェイロンのラインナップ5台が一堂に展示された。

  • クラシックカー・サンデーにはフェラーリ288エヴォルツィオーネ (S/N:79888)の姿も見られた。

 

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