コンチネンタルが考えるキーの未来

2016.07.13

カーシェアリングの車両に近づいただけで、ライトが点灯して、ドアがアンロック。自動でクルマがパワーオンしたと思ったら、座席がしずしずとわたし用のポジションに動いてゆく。ドライバーに残された作業は、ただエンジン・スタート・ボタンを押して運転を始めるだけ。

自動車とのこんな関わり方を、コンチネンタルのバーチャルキー・テクノロジー説明会で目の当たりにした。

もうポケットの中のキーを探すこともなければ、ドアノブにタッチする必要もない。

そんな完全ハンズフリー・アクセスを実現するのは、スマートフォンを使った “仮想キー” である。

コンチネンタルは、2008年より完全仮想キーの開発に取り組み、昨年にはOTA keys(オータキーズ)という会社を設立し、カーシェアリング向けバーチャルキー・サービスの提供を開始した。ユーザーが行うのは以下のフローである。

1. ユーザー登録をする
2. スマホにアプリケーションをダウロードする(以上初回のみ)

3. ログインを行う
4. アプリ上で、都合の良い時間枠、好みのモデルを予約
5. ネット経由でスマホにキーを受信
6. 周辺にある車両をサーチ

そうして、スマートフォンをバッグにでも入れて、カーシェアリングのステーションに向かうと冒頭のハンズフリー・アクセスで運転をはじめることができる。この枠組みは、レンタカー店や社用車の利用にも応用可能だ。

実のところコンチネンタルは、従来型のキーレスエントリー・キーでも、車両に近づくドライバーを自動認識し、ウェルカムライトを点灯、エアコンやシートとミラーの個人設定をアクティブにするシステムをすでに開発している。

これを、スマホやスマートウォッチといったバーチャルキーに転用するメリットは、どんなものがあるのだろう。

まず、従来型キーではキーと車両が1:1の関係であるが、バーチャルキーではそれに縛られない。

家族がそれぞれ自分のスマホにキーを持ち、息子のキーには制限速度を設けたり、深夜は利用できないという設定をすることができる。

ドライブ中のショッピングでは、スマホと自動車のキーの両方を持ち歩く必要もないし、若い世代はスマートフォンの利用に抵抗がない。

車載機はOBDIIに接続するメインユニットのみで、ソフトウェアの更新をスマホ側で行える点もコストやメンテナンス性のトピックだ。OBDIIのビークルデータやGPS情報を取得できるのも応用性が高い。カーシェアリングでは分単位の課金も可能になる。

なお、スマホと車両の通信には、NFC(お財布携帯などの近距離通信)およびブルートゥースを使用。ブルートゥースは超低消費電力という特徴があるので、EVやハイブリッド車両ではメリットが大きいなど、従来型キーにはない利点は数多い。

コンチネンタルが提供したキー・エレクトロニクスは、2015年に世界で3000万本を超えている。こうしたボディ&セキュリティ事業は、世界中に拠点を有するが、近年は中国・日本といったアジア圏がセールスのトップを占めているという。


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