ヴォグゾール・アダム1.4グラム・エコフレックス

■どんなクルマ?

新しいヴォグゾール・アダムは、スタイル・コンシャスなスーパーミニだ。そのデザインは、ライバルたちのようにレトロ嗜好のものではなく、前衛的なもので透明な空気感を引き出そうとしているように見える。そして、価格はフィアット500よりも高価だが、ミニとアウディA1よりも安い設定がされている。

そのシャシー・ベースはコルサのプラットフォームを使用しているが、かなり手が加えられているという。サイズはミニより広いが、ホイールベースは2311mmと僅かに短い。

エンジンは3タイプが用意されている。69bhpの1.2リッターと、86bhpまたは99bhpの1.4リッターだ。われわれがテストしたのはミッドレンジにあたる86bhpの1.4リッター・エンジン搭載モデルで、3つあるトリムのうち中間にあたるグラム・トリムが施されたモデルだ。その価格は、13,000ポンド(166万円)で、295ポンド(3.8万円)のオプションとなるアイドリング・ストップが付けられていた。

ホイールは17インチまたは18インチで、このグレードでは固いスポーツ・シャシー・セットアップが標準となる。テスト車両は17インチで、コンチネンタルのコンチエコ・コンタクトを履いていた。

■どんな感じ?

全体的には少々期待外れなクルマだったのだが、キャビンの印象は非常に良いし、このクルマの最大のセールス・ポイントである。ドライビング・ポジションも良く、フロントのスペースは驚くほど広い。またグラムのスダンダードとして、DABラジオ、ブルートゥース、クルーズコントロール、USB入力、カラー・タッチスクリーン、パノラミック・サンルーフなどが装備されており充分過ぎるものが用意されている。カラー・スクリーンは見栄えもよく、スマートフォンとのコネクティビティも良く、ハイテク・マニアも納得できるものだ。

リア・スペースは若干絞られおり、トランス・スペースは容量も不足して、且つ複雑なカタチをしている。しかし、それほど大きなマイナス・ポイントにはならないだろう。

しかし、悲しいことにこのキャビンの素晴らしさで、アダムの良さは終わりだ。

ステアリングは英国向けのセットアップではないようだ。英国向けならばもっとメカニカルなフィーリングになるはずだが、ユーロ向けのステアリングは、正確ではあるが、路面のフィーリングは伝わりにくく、電子制御によってベールがかけられたようなフィーリングだ。また、シャシー・セットアップも英国向けではないようだが、その乗り心地には失望を感じざるを得ない。低速域以外では本当に厳しい乗り味だ。しかもコーナリング中に跳ねてしまう。しかも、静かではない。

唯一選ぶことのできるトランスミッションである5速ギアボックスは、113km/hで3000rpmに達してしまい、その騒々しいサウンドにも閉口することとなる。

19.6km/lという燃費と、119g/kmのCO2排出量は、ライバルの4気筒エンジンよりも良い値だが、やはりラインナップにディーゼルもなければ、新しい1.0リッター3気筒ターボが間に合わなかったことも悔やまれる。さらに6速ギアボックスも準備されていないことも残念でならない。

公道でのパワー不足は否めない。0-100km/hの12.5秒という値は許容範囲だが、80-120km/h追い越し加速タイムが5速ギアで17.8秒という値はもやは絶望的としかいいようがない。

■「買い」か?

明らかにアダムはデザイン優先のクルマだ。しかし、そのパワー・トレーンと乗り心地に関しては良い点数を与えることはできない。新たに追加される1.0リッター3気筒ターボ・エンジンが挽回するかもしれないが、それまでどう持ちこたえるかが課題となろう。

(ヴィッキー・パロット)

ヴォグゾール・アダム1.4グラム・エコフレックス

価格 13,270ポンド(169万円)
最高速度 177km/h
0-100km/h加速 12.5秒
燃費 19.6km/l
CO2排出量 119g/km
乾燥重量 1135kg
エンジン 4気筒1398cc
最高出力 86bhp/6000rpm
最大トルク 13.3kg-m/4000rpm
ギアボックス 5速マニュアル
 
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