テスラ「夢」限界? 時価総額は高止まり 裏腹につづく遅延、止まらぬ支出

公開 : 2018.02.04 06:10  更新 : 2018.02.04 09:55

莫大な投資をつづけているけれど、モデル3の生産は遅々として進まない。にもかかわらず、イーロン・マスクのテスラは投資家を魅了しつづけています。夢、はじける?

text:Hilton Holloway(ヒルトン・ホロウェイ)

もくじ

58億円/週の支出 2018年、底尽きる?
テスラ初の困難 たびかさなる遅延
製造部門の瑕疵 モデルS/Xは売れたが…
揺れ株価と資金調達 ドイツの影 反対票は

58億円/週の支出 2018年、底尽きる?

この18カ月、世界は大きく動いた。

ドナルド・トランプ大統領の誕生とブレグジットの投票可決が一番に目を引くというひとが多いかもしれないけれど、さらにありそうもないことといえば、テスラの株価高騰だ。

トランプとブレグジットの投票は一般人だったのに対し、昨年4月にテスラを世界で最も価値の高い自動車メーカーに選んだのは、現実主義者の投資家とアナリスト。驚くほかない。

2016年のテスラの販売台数は全世界でたったの7万6000台。一方、GMの売り上げは996万台。にもかかわらず、昨年春の株式市場では時価総額は515.4億ドル(5兆7330億円)となった。第2位のGMの市場価値よりなんと10億ドル以上も高い。

アナリストの評価はその時から比べると少し変化しているが、株価はそう変わってはいない。

ただ、テスラの最大の問題は新たなエントリー車、モデル3の生産に手こずっているようだ。巨額の資金を失いつづけている理由のひとつである。

2017年の第3四半期にテスラは4億5700万ポンド(703億円)の支出をしている。週に直すと3800万ポンド(58億円)。1週間に58億円もつかっているのだ。

こんな割合で巨額の投資をつづけているので、ブルームバーグ・インテリジェンスの市場アナリストは2017年末、このままでいくとテスラの資金は2018年8月には完全になくなるだろうと予想した。

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