【もとランボルギーニのバルボーニも登場】高性能EVサルーン ドラコGTEへ試乗

公開 : 2020.09.02 10:20

ランボルギーニのテストドライバーを務めていた、バルボーニ。シリコンバレー発の新しい高性能EV発表の場に表れたのは、バルボーニでした。4モーター、1217psのドラコGTE以上に、彼の存在が印象深かったようです。

もくじ

唯一のクワッド・モーターEV
ブルーのディアブロとの思い出
スポーツカーの黄金期を生きてきた
4基のモーターで走るドラコGTE

唯一のクワッド・モーターEV

text:Colin Goodwin(コリン・グッドウィン)
photo:James Lipman(ジェームス・リップマン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
もとランボルギーニのテストドライバーとして伝説的な、ヴァレンティーノ・バルボーニ。彼でなければ、開発できない領域がある。

純EVのハイパーカーの試乗で、いつかお会いするだろうと想像していた人物だ。今回試乗するのは、ドラコGTE。カリフォルニアのサーマル・レースウェイまでやって来た。

ドラコGTE(北米仕様)
ドラコGTE(北米仕様)

この場所で、バルボーニにお会いできるとは。うれしい。彼はイタリア人テストドライバーとして、最もカッコいい人物だと思う。

フェラーリのダリオ・ベヌッツィも素敵な人だ。バルボーニより洗練された雰囲気があるが、デザイナー風の気取った感じもある。

バルボーニと一緒にランボルギーニに乗れば、知的なメカニックとクラフトマンも一緒に乗っているような感覚になれる。彼は袖をまくり、シートに収まる。男の子を、夢中にさせてくれる。

シリコンバレーの技術者、ディーン・ドラコとシヴ・シカンドによって生み出されたドラコGTEは、ただ者ではない。ドラコは不在のようだが、頭の回転が速く、情熱的で知的なシカンドは来ている。

4基の電気モーターが搭載される、ドラコGTE。現在乗れるクルマとしては唯一の、クワッド・モーターの純EVといえる。7年ほど前の、メルセデス・ベンツSLS AMG エレクトリック・ドライブを除いて。

写真で気づいた読者もいるかもしれないが、ドラコGTEのベースは、フィスカー・カルマ。ドア形状は同一だが、残りのカーボンファイバー製ボディは、もとピニンファリーナ社のデザイナー、ローウィ・ヴェルメシュが手直ししている。

ブルーのディアブロとの思い出

ホイールベースは長大。90kWhの容量を持つバッテリーは、1万ものセルで構成される。それが床下に搭載されているためだ。

4基のモーターは、ハーフシャフトを介して、1基ごとに1本のタイヤを動かす。総合すると、最高出力は1217psにもなる。

ドラコGTE(北米仕様)
ドラコGTE(北米仕様)

バルボーニがテレビカメラの取材を受けている。興味深いから聞き耳を立ててみよう。ハイパフォーマンスEVを、どう考えているのだろうか。

「間違いなく未来の姿です。伝統的な(エンジンで動く)スーパーカーの時代は、終りを迎えつつあります」。と話すバルボーニ。

間違いないだろう。実際、過剰なほどのハイパーEV開発され、目の前にある。

ドラコGTEに、バルボーニが座る。今日のバルボーニはゲストとして、外交的な様子。前回バルボーニにお会いしたのは、ランボルギーニ・ディアブロSVを運転していたとき。サンターガタの駐車場だった。

雨が降っていて、ディアブロにはABSがなかった。すり減ったサマータイヤを履いたディアブロは、山道のタイトコーナーを曲がれず、傷を付けてしまった。

バルボーニが思い出したように話す。「ああ、SVのオレンジ色のロゴが入った、ブルーのディアブロですね」。当時の彼も、気にはしていなかった。彼は情熱的に、喜びに浸るようにランボルギーニを運転欲しいと考えていた。

バルボーニが淡々と話し出す。純EVは未来だ。でも、その未来に嬉し泣きしてしまう、というということもないようだ。

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