【ジュニアM5に近づいた】BMW M3 コンペティションへ試乗 最新G80型 510ps 後編

公開 : 2021.03.12 19:05

遂に試乗機会がやって来た最新のG80型BMW M3。従来以上にボディも馬力も大きくなりましたが、喜びも大きいのでしょうか。英国編集部が評価しました。

もくじ

力強く滑らかな直6と相性のいい8速AT
引き締められたサスは少し硬すぎる
従来以上にM5へ近づいた
BMW M3 コンペティション(英国仕様)のスペック

力強く滑らかな直6と相性のいい8速AT

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
英国に入ってくる最新BMW 3Mのトランスミッションは、デュアルクラッチではなくトルクコンバーター式の8速ATのみ。MTは選べない。リアのリミテッドスリップ・デフには電子制御が入る。

デュアルクラッチATの方が変速はシャープだが、トルクコンバーターよりシフトショックは大きい傾向がある。最近のユニットは優秀なものの、市街地での滑らかさではトルコンにはかなわない。ATは、このM3に丁度いい。

BMW M3 コンペティション(英国仕様)
BMW M3 コンペティション(英国仕様)

BMWは可能な限り積極的に変速するように、8速ATの動作を調整している。とても積極的に回る6速ツインターボとの相性も良い。

低速で走行している限り、エンジンはタペット音が大きく、サウンドは少しザラついた印象だった。しかし滑らかに回転数が上昇するとともに、威勢のいいサウンドへ変化していく。

エンジンや8速ATの設定をコンフォートにしてドライブへ入れっぱなしでも、停止状態からの加速はかなり鋭い。0-100km/h加速は4.2秒だ。

ブレーキペダルを踏んだときの効きの強さの調整は、特にコンフォート・モードでしにくく感じた。ブレーキに限っては、スポーツ・モードの硬い感触が良いだろう。そうすれば、M3のドライブトレインは相当に活発な水準でまとまる。

引き締められたサスは少し硬すぎる

最近筆者は、ジャガーのダイナミクス性能を詰めるエンジニアと一緒に過ごした。ドイツの一般道やニュルブルクリンクは、シャシー開発にはあまり効果的ではないと彼は話していた。アウトバーンでの安定性を確かめる場面を除いて。

英国などの道路事情と比べて、ドイツの路面は滑らかすぎるという。おそらく最新のM3は、英国の道路を走り込んでいない様子。

BMW M3 コンペティション(英国仕様)
BMW M3 コンペティション(英国仕様)

アダプティブ・ダンパーは3段階の硬さから選択できる。英国でも舗装の新しい路面なら、M3は上手になだめて走ってくれる。だが郊外の道へ出ると、コンフォートモードでも硬すぎ、揺れが収まらないと思えるほど。

そのかわり、M3の姿勢制御は非常にタイト。ボディ剛性は抜群に高く、引き締められたダンパーとスプリングながら、わずかなしなやかさも感じることはできる。

ライバルとなるアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオは、ここまで硬くはなかったはず。いずれ比較試乗の機会もありそうだ。

ステアリングホイールは軽く、反応には一貫性があり正確。さほど問題にはならないが、もう少し路面の感触は伝わってきても良い。M3全体がタイトだから、歪みやタメが小さく、クルマの状態を正確に把握することはできる。

前世代のM4 GTSを運転しているようにも感じた。賛否両論あったモデルだが、筆者はプラスの意味で比べたい。

フロントノーズは正確に向きを変え、直6エンジンのパワーデリバリーは常にリニア。トラクションがどれくらい有効で、限界がどの辺りなのかを感じ取りやすい。

電子制御のリアデフは素早くロックし、制御もしやすい。以前のM4とは異なり、トラクションが抜けた瞬間に冷や汗をかく、という場面もないだろう。

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