【中国市場で人気のEVは?】安価で高性能な都市型EV 4人乗り、航続距離160km

公開 : 2021.04.07 20:25

中国では安価で高性能な小型EVが人気を集めています。欧州や米国にもまもなく上陸する都市型EVの魅力とは。

もくじ

収益をもたらす中国市場
約50万円で買える小型EV

収益をもたらす中国市場

text:Jim Holder(ジム・ホルダー)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

2020年にパンデミックに見舞われた中国は、他の国よりも強く立ち直ったが、問題の1つは、EVの登録台数が前年比8%増と比較的控えめだったことだ。アナリストのCanalysによれば、130万台という登録台数は世界全体の41%を占めており、決して悪くはなかったが、世界全体の成長率が39%であることを考えると、かなり控えめな数字と言える。

というのも、中国市場は全世界の自動車販売の30%(2020年)を占めており、EVの普及を促進し、自動車メーカーに収益をもたらす上で重要な役割を担っているからだ。

五菱 宏光MINI EV
五菱 宏光MINI EV    五菱

中国が優位に立っているのは、指導者たちが以前から電動化を計画していたからであり、その主な動機は輸入石油への依存から脱却する機会を得るためである。しかし、欧州(EV販売台数シェア42%)の後塵を拝することは考えていなかった。今年は50%の成長率が見込まれており、同地域のEV市場シェアは10%に近づくと予想される。ちなみに、2020年の全世界の登録台数に占めるEVの割合は4.2%だった。

中国のさらなる成長のヒントは、昨年の販売台数にある。そこでは、2社の傑出したパフォーマンスが見られた。年初には、現地生産のテスラ・モデル3が販売を独占した。今年はモデルYの発売に伴い、さらなる成長が期待されている。

しかし、真のスターは、今年半ばに発売された宏光(Hongguang)MINI EVだ。このEVは、小型で手頃な価格の都市型EVのトレンドの火付け役となり、市場を一変させた。まず上海や北京などのメガシティで販売台数を伸ばし、その後、685の都市でも販売台数を大きく伸ばしている。

約50万円で買える小型EV

SAIC、五菱(Wuling)、GMの3社が共同で設立した宏光MINI EVの特徴は、航続距離160km以上、最高速度100km/h、4人乗りというパッケージングにもかかわらず、価格が3200ポンド(48万円)であることだ。

アンチロック・ブレーキとタイヤ空気圧モニターが標準装備されており、予算を4000ポンド(60万円)に近づければ、リア・パーキングセンサーとエアコンが装備される。地元の人々には、クールで現代的なクルマとして受け入れられ、2021年には販売が急増した。

五菱 宏光MINI EV
五菱 宏光MINI EV    五菱

重要なポイントは2つある。第一に、このトレンドは今後も継続するということ。今後、宝駿(Baojun)Eシリーズや、世界で最も安いEVであるORA R1などについても、さらに多くの情報が得られるはずだ。コンパクトで高性能なEVが、街の風景をどんどん変えていくことだろう。

第二に、欧州や米国をはじめとする海外への輸出が間もなく始まることが挙げられる。このクルマを笑う人もいるかも知れないが、渋滞や公害への懸念が高まる中、世界中の大都市で導入を義務付ける圧力が高まっていくことが予想される。

 

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