【クルマの衛生感覚】新型コロナでクルマが変わる ドアハンドルやタッチスクリーンは消えるかも

公開 : 2021.09.09 07:05

衛生管理に対する消費者意識の高まりから、クルマのさまざまな機能・装備に大きな変化が訪れています。

ドアハンドルは消えるゆく運命?

執筆:Jim Holder(ジム・ホルダー)
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

パンデミックの影響で、クルマのドアハンドルが絶滅の危機に瀕していると、ルノー・グループのデザイン責任者であるローレンス・ヴァン・デン・アッカーは語っている。

ヴァン・デン・アッカーは、パンデミック以前から常に世界のトレンドに目を向けており、車内の衛生レベルに対する消費者の意識が高まっていると指摘した。

ドアの自動開閉機能も徐々に普及していくかもしれない
ドアの自動開閉機能も徐々に普及していくかもしれない

「言いたくはありませんが、トイレを除けば、携帯電話はあなたが持っているものの中で最も不衛生なものでしょう。そして、クルマのドアハンドルやタッチスクリーンなども同様です」と彼は言う。

空気清浄、抗菌、非接触

新型コロナのパンデミックが始まる前から、空気ろ過システムやイオン化装置を強化するクルマが増えていた。特に高級車ブランドでは、EVを中心に空気清浄度の測定を始めていた。

すでにメルセデス・ベンツの新型電動セダン「EQS」に見られるように、将来的には人(あるいはキー)の接近を感知すると自動的にドアが開き、シートに座ったりブレーキペダルを踏んだりすると閉まるようになるとファン・デン・アッカーは考えている。

メルセデス・ベンツEQS
メルセデス・ベンツEQS

また、素材についても、自浄作用のある表面や抗菌素材などに注目が集まるだろうと予想。質感に関しては心配しなくとも、1970年代のクルマに多く見られたプラスチックやビニールより洗練されたものになるだろう……。

ファン・デン・アッカーによると、長期的にはタッチスクリーンも注目される可能性が高いという。例えば、中国語は方言も多く、習得が難しい言語の1つだが、音声認識技術の開発はすでに世界的な水準に達していると彼は言う。音声認識技術が確立されれば、画面にはナビ以外の情報を表示する必要はなくなるだろう(少なくとも理論上は)。

さらに、顔認識機能により画面に触れる必要がなくなることも考えられる。この機能についても、中国の技術者が開発をリードすると同氏は述べている。

もちろん、中国人の好みが欧米や日本に伝わるという確証はないが、可能性はゼロではない。そのうち、機械式よりも電子式の方が安価で信頼性が高くなり、同じような技術をできるだけ多くのモデルに搭載することでコスト削減につなげるという道を、自動車メーカーは歩むことになるかもしれない。

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