大排気量こそ正義 史上最大のエンジンを積んだクルマ 20選 ロマン溢れるモデルたち

公開 : 2022.09.03 06:05

自動車業界ではダウンサイジングがトレンドとなっていますが、今回は大排気量のエンジンを搭載したクルマを紹介します。ランボルギーニの旗艦モデルから、世間を騒がせた「怪物」まで、一癖も二癖もあるモデルばかりです。

ダウンサイジングはもうお腹いっぱい

昨今の自動車業界では、エンジンを小排気量化するダウンサイジングが主流となっている。小型・軽量化することで無駄を減らし、燃費を向上させるのが目的で、性能維持のためにターボやスーパーチャージャーを追加するのが常だ。

巨大なシリンダーにより多くの空気を採り入れ、ひたすらパワーを追求する大排気量のエンジンは、もはや過去の遺物となりつつある。今回は、そんな史上最大のエンジンを搭載したクルマを紹介したい。

自動車史上最大のエンジン搭載車を、排気量の小さい順に紹介。
自動車史上最大のエンジン搭載車を、排気量の小さい順に紹介。

ランボルギーニアヴェンタドール(6.5L)

ランボルギーニのフラッグシップモデル、アヴェンタドールには排気量6498ccのV12エンジンが搭載されている。ターボもスーパーチャージャーも使わず、自然吸気にこだわり、アヴェンタドールSVJでは770psにもなる驚異的なパワーを発揮する。

ランボルギーニがV12エンジンを設計するのは、これで2度目。先代のV12エンジンは350 GTに搭載され、その後ムルシエラゴまで使われ続けた。アヴェンタドールのV12(バンク角60度)は、アヴェンタドールのためにすべてが新設計となっており、「L539」というコードネームで呼ばれる。ジョット・ビッザリーニが設計した先代のユニットとは異なる点火順序を採用しているが、回転数が高く、可変バルブタイミングも備えている。

ランボルギーニ・アヴェンタドール
ランボルギーニ・アヴェンタドール

ロールス・ロイス・シルバーシャドー(6.75L)

ロールス・ロイスのLシリーズV8エンジンは、1959年のシルバークラウドIIに搭載された6230ccのものが最初だった。1968年に6750ccに拡大され、つい最近までベントレーミュルザンヌに採用されていた。推定では、これまでに製造されたロールス・ロイス車の70%に使われてきたと考えられている。

およそ60年に渡る長寿の秘訣。それは、当初こそ低出力であったものの、1982年以降、多くのモデルでターボチャージャーが追加され、時間をかけて徐々に出力を上げてきたことにある。オールアルミ製で、クラウドIIの細長いエンジンルームに収まるように設計されている。そのため、各バンクの「V」は非常に深くなっているのだ。

ロールス・ロイス・シルバーシャドー
ロールス・ロイス・シルバーシャドー

メルセデス・ベンツ 450 SEL 6.9(6.8L)

車名にある「6.9」は置いておいて、450 SEL に搭載されたM100型V8は6.8Lである。当時のドイツ車では最大級のエンジンであり、フラッグシップのSクラスに搭載したのは英断といえる。この6.8L V8は、Sクラスの信頼性を守るために、1基あたり4時間半のベンチテストを行ってから車体に積まれる。

エンジンブロックは鉄だが、シリンダーヘッドはアルミニウムで、ナトリウム封入バルブが使われている。また、当時としては非常に珍しいボッシュのKジェトロニック燃料噴射装置が搭載され、最高出力290ps、最大トルク56kg-mを発生し、最高速度は225km/hに達する。7380台が生産された。

メルセデス・ベンツ 450 SEL 6.9
メルセデス・ベンツ 450 SEL 6.9

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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