BMW アクティブハイブリッド3 SE

公開 : 2012.07.06 17:45  更新 : 2017.05.29 18:00

■どんなクルマ?

BMWのアクティブハイブリッドは、6気筒エンジンを搭載する335i Mスポーツよりも速く経済性の高いモデルである。もし、ハイブリッドカーのイメージをプリウスに持つのであれば、それは少しばかり違うかことになるかもしれない。何しろこのハイブリッド3は、0-100km/hを5.3秒で駆け抜けるのである。更に、その上で17.0km/lの燃費と、139g/kmという低いCO2排出量も併せ持つ。

比較対象となる335iは、37,540ポンド(465万円)という価格だが、0-100km/hに5.9秒掛かり、燃費は13.9km/l、CO2排出量は186g/kmという値だ。

アクティブハイブリッド3のもう一方のライバルは330d SEだろう。アクティブハイブリッド3よりも6,945ポンド(86万円)安い33,280ポンド(412万円)というプライスが付けられ、0-100km/h加速5.6秒、燃費20.4km/l、CO2排出量129g/kmという数値を持つ。これはアクティブハイブリッドよりも優秀な数値だ。

それなのに、何故BMWはアクティブハイブリッド3を作ったのだろうか。ひとつは、アクティブハイブリッド3は、ディーゼルに好意的でないアメリカ市場を意識したクルマであり、また、BMWがハイブリッド技術を持っていることをアピールするためのクルマでもあるのだ。

■どんな感じ?

アクティブハイブリッド3は、ドライブしていて愉しいクルマだ。それは、明らかに活発になっているストレート6ガソリン・エンジンと8速オートマティックとの組み合わせ以外に、54bhpを発揮する電気モーターのアシストがあるからだ。F1のKERSのようなシステムで、ハイブリッドに対する考え方を再考させるに十分なものだ。

それでいてエコ・プロ・セッティングを選べば、エンターテイメント・システム上で、次の1分の間に何をすれば燃料使用を少なくするかのヒントとチップスを6つ示してくれるのだ。毎日の通勤でそれを実践することは楽しみですらある。

パフォーマンス自体は3シリーズからほぼそのまま受け継がれているので、十分に愉しい走りが楽しめる。優れたステアリング、良い乗り心地、バランスのとれたハンドリングなどだ。更に落ち着いたコーナリングを求めるのであれば、オプションの可変ダンパーを注文すれば良い。それはアクティブハイブリッド3のロールを非常によくコントロールしてくれる。

因みに、アクティブハイブリッド3は、電力だけでの走行も可能だ。但し、その距離は4kmで最高速度は60km/hに制限されてしまうことになる。

■「買い」か?

アクティブハイブリッド3は、実用的でよく仕立てられたクルマだ。但し、本当の意味では330dのライバルまでには成り得ないかもしれない。しかし、高価なA123バッテリーパックの寿命が10年であっても、その技術は非常に魅力的であることは間違いない。

(リチャード・ブレムナー)

BMW アクティブハイブリッド3 SE

価格 40,225ポンド(498万円)
最高速度 250km/h
0-100km/h加速 5.3秒
燃費 17.0km/l
Co2排出量 139g/km
乾燥重量 1595kg
エンジン 6気筒2979cc+電気モーター
最高出力 335bhp/5800rpm-6000rpm
最大トルク 45.9kg-m/1200rpm-5000rpm
ギアボックス 8速オートマティック

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