フェラーリによる、フェラーリのための「聖地巡礼」 488スパイダーと166インテルとともに:前編

公開 : 2017.03.05 00:30

 

‘フェラーリ’ というブランドでの車両生産が開始されたのは1947年。今年は70周年ということになる。言うなれば、スポーツカーやスーパーカーのブランドとしての歴史が70年ということで、その名がひとりの人物やレース・チーム、コンストラクターとして知られるようになったのはもっと前のことだ。

たとえば創業者のエンツォ・フェラーリは1898年生まれで、タルガ・フローリオで2位に入賞し名を挙げたのは1920年。

1920年にはレース・チームであるスクーデリア・フェラーリが設立され、彼らが走らせるアルファ・ロメオに、第一次大戦時のエース・パイロットだったフランチェスコ・バラッカにちなんだ跳ね馬のエンブレムが装着されたのは1932年だった。

1940年には初のオリジナル車両であるアウト・アヴィオ・コストルツィオーネ(AAC)815を完成させるが、このときはアルファ・ロメオとの約定があり、フェラーリの名を使うことはできなかった。

今回は最新の488スパイダーに乗り、カー・メーカーとしてのフェラーリが歩んだ70年において特別な意味合いを持つ場所を訪ねる、ちょっとした聖地巡礼をしようと思う。

670psのV8ツイン・ターボが上げる荒々しいサウンドが、有名なトンネルの壁に反響している。これからグッドウッド・サーキットに入る、その入口だ。

われわれの道程は、ロンドン周辺を抜けてノーフォークの外れまで、英国におけるフェラーリの足跡を年代に沿って追うというもの。ここで行われた2度のレースに敬意を表し、主役不在で行われたもうひとつを思い出すためだ。


おすすめ記事