ヨコハマ ホットロッド・カスタムショー

2014.12.07

text & photo:Hiroshi Yoshida (吉田 弘)

 
アメリカ西海岸で誕生したホットロッドやカスタムカーの文化を日本で広めたムーンアイズが主催するイベント“ヨコハマ ホットロッド・カスタムショー”が、クリスマス目前で賑わう横浜みなとみらい地区のパシフィコ横浜で開催された。

例年だと、アメリカ車やカリフォルニアで流行したスタイルを取り入れたカスタム・フォルクスワーゲンなどをフィーチャーして行われるこのショー、23回目の今回は初めて日本車がテーマに取り上げられた。トヨタを代表するセダン/ステーションワゴンでお馴染みのクラウンがそのフィーチャーカーである。これは“クラウン・ピクニック”と名付けられたクラウンだけのイベントの、開催25回を記念して選択されたものだ。展示された歴代クラウンは20台以上にも上る。観音開きのドアが特徴の初代トヨペット・クラウンから、1974年まで生産された60系クラウンまで、5世代のモデルが出品された。オリジナルのスタイルを保つものから、ホイール交換やカスタムペイントを施されたクルマまで、バラエティ豊かな姿を見ることができた。

海外から招待されるゲストカーやモーターサイクルが会場中央部に展示されるのはもうお馴染みの光景だ。著名なカービルダー、ジーン・ウィンフィールドが1962年に製作した“パシフィカ”は、フォードのキャブオーバーピックアップのエコノラインをベースとするカスタムカー。出品されたクルマは後に作られた2代目である。同じエコノラインがベースのドラッグレーサー“バックアップ”は、荷台部分を前にして走ることで知られたレースカーだ。もちろん運転台も後ろ向きに作られているが、ウィリーすると前が見えなくなり、サイドウィンドーから首を出して前方を確認するのが大変だったとスタッフが笑いながら話してくれた。1934年のフォード5ウィンドー・クーペをベースとする“アイアン・オーキッド”は、ブルーにパ-プルのラインが美しいショーカー。4台目はウォルデンスピードショップが製作した1932年のフォード3ウィンドー・クーペだ。

会場周辺への騒音対策として2輪車の乗り入れが規制され、「お静かに」が合言葉のカーショーとなったが、入場者は例年と変わらないように見えた。カスタムカーにも環境問題が迫っている現状であるが、今年のショーを見る限り心配は杞憂だったと言えそうだ。

  • クラウン・ピクニック25回開催を記念し、初の日本車としてトヨタ・クラウンがフィーチャーされた。

  • 初代トヨペット・クラウンは、観音開きのドアが特徴で“観音クラウン”と呼ばれた。こちらは前期型だ。

  • “クジラ”の愛称で呼ばれた4代目は、丸みを帯びた独特なデザインが特徴だが、先進的過ぎたようだ。

  • 1962年型のフォード・エコノラインをベースとするカスタムカー“パシフィカ”。作り直された2代目である。

  • 後輪が曲がっているのではなく、こちらが前になるカスタムカー、“バックアップ”。ウィリーを見てみたい。

  • 1934年のフォード5ウィンドー・クーペがベースの“アイアン・オーキッド”。素晴らしいペイントジョブだ。

  • ホットロッドカスタムショーで、毎回派手なペイントが人気のローライダー。インパラは定番アイテム。

  • グリーン濃淡にスキャロップペイントが映える1959年シボレー・ステーションワゴン。展示も本場並みだ。

  • カスタムペイントのキャンバスとなった、2代目のシボレー・カマロ。マッスルカーにこの手の塗装は珍しい。

  • 国産旧車の人気は今も高い。2ドア化されたダットサン510ワゴンは、まるで市販車のような仕上がりだ。

  • レフトハンダーのフェアレディZ(S30)。エンジンルームにはトヨタのストレート6が収まっている。

  • 軽4輪のキャンパーもアイデアひとつでカスタムカーに変身。スライドドアーの内側にはカウンターがある。

  • 50周年を迎えたフォード・マスタング。オープンカーという呼び方がいかにもしっくりするスタイルだ。

  • 他の展示車より一回り大きな車体が高度成長期のアメリカを象徴する1960年型のキャデラック4ドアクーペ。

  • カスタム途中で出品されたダッジA100バン。艤装やペイントはまだだが、どんな姿になるか楽しみだ。

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