F1グランプリ第2戦 マレーシアGP ーー Ferrari is Back

公開 : 2015.03.29 23:00  更新 : 2017.06.01 02:10

”Ferrari is Back”。セバスチャン・ベッテルは、チェッカードフラッグを受け、ウイニング・ラップ中のマシンの中で、無線を通じてクルーに叫んだ。確かに、このF1第2戦、マレーシア・グランプリ・ウィークが始まっても、メルセデスの絶対優位は崩れないものだと考えられていたし、予選でベッテルが2位のポジションを獲得したのも、南国特有のスコールが悪戯しただけで、これが即マシンの性能に繋がる結果とは誰もが思ってもいなかった。

しかし、実際にスタートしてみるとそうではなかった。3周目に起こったエリクソンのコース・アウトによってセーフティ・カーが出動し、その間隙を縫ってハミルトンとロズベルグという2台のメルセデス勢が早々にタイヤ交換をしたのを機にトップに立ったとは言え、その後のベッテルの走りは完璧だったし、マシンの性能的にもメルセデスと互角以上の走りを見せた。

フェラーリにとってみれば、一度も表彰台の一番高いところに立つことがなかった昨シーズンから、レッドブルからベッテルを引き抜いたとは言え、こんなに早く優勝する機会がやってくるとは思っていなかっただろう。

また、スタート直後の2周目にナッサーとの接触で左リア・タイヤを失う予定外のピットインを余儀なくされた同じフェラーリの同僚、ライコネンが、最終的に4番手でフィニッシュしたのも明るいニュースだ。もし、序盤のピットインがなければ、フェラーリの1-2フィニッシュが見れたかも知れない。

最終的に2番手、3番手に終わったハルミトン、ロズベルグというメルセデスのコンビは、チームの戦略ミスもあったものの、レース後、ベッテルの速さを讃えていた。

5番手、6番手にはボッタス、マッサというウイリアムズ勢が入った。この2人は、おなじチームメイトでありながら、終盤は手に汗握るバトルを見せてくれた。残り2周というところで、ボッタスがマッサを躱して5番手のポジションを得たのだった。

そして、7番手、8番手にはフェルスタッペン、サインツという若手二人を擁するトロロッソが、親チームであるクビアト、リカルドという2台のレッドブルを抑えて入賞した。

フェラーリの復調という嬉しいニュースとともに、レッドブルの不調はいよいよ深刻なものになってきたのかもしれない。

マクラーレンホンダの2人は、開幕戦よりも充分なバトルが出来たものの、共にエンジン系のトラブルで最後まで走ることはできなかった。しかし、まだ2戦であるが、その実力は確実にあがっており、アロンソ、バトンという2人のワールド・チャンピオンを擁するマクラーレンが、この後、どのように這い上がってくるかが注目される。

次戦は2週間後、上海での中国グランプリだ。

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