セアト・レオンFR 2.0 TDI

公開 : 2012.11.09 14:26  更新 : 2017.05.29 18:44

■どんなクルマ?

新しいセアトのラインナップで最も速く最も強力なモデルがこのFR 2.0 TDIだ。

われわれは、フォルクスワーゲン・ゴルフGTD、スコダ・オクタビアvRS、そして前モデルのレオンFR TDIなどによって、ディーゼル・モデルのホットハッチがありえることを理解してはいる。しかし、実際には高回転型のガソリン・エンジンによるホット・ハッチの方がハートを熱くする何かを持っていると信じていた節がある。ましてや、燃費とパフォーマンスの両立などできるわけがないと考えていたのだ。しかし、新しいレオンFR 2.0 TDIは、そんな考えを一新してしまうスペックの持ち主であった。

181bhp、38.7kg-mのパワー、トルクは、ゴルフMk6 GTDよりも13bhp、3.0kg-m大きい値で、0-100km/h加速7.5秒と228km/hの最高速を叩き出す。0-100km/h加速の数値だけみれば、178bhpのガソリン・エンジンを搭載する1.8 TSIと同じ値だが、最高速は3km/h高い。

そして、素晴らしいことに、そのパフォーマンスは経済的な代価を必要とせずに得ることができる。燃費は23.3km/lという数値をマークし、CO2排出量も112g/kmという素晴らしい数字を記録する。

ちなみに、この2.0 TDIエンジンは、セアトが最初に搭載することとなったが、フォルクスワーゲン・グループの巨大なMQBファミリーのラインナップに拡大することは確実で、新しいMk7ゴルフやアウディA3にも積まれることとなるだろう。

■どんな感じ?

本当に洗練されたパフォーマーということができる。直線は本当に速く、その大きなトラクションとワイドなトルクは、このクルマがディーゼル・モデルであることを忘れてしまうほどだ。もちろん、ディーゼルを感じさせる部分もある。それはスタートアップ時のサウンドだ。しかし、その一点だけであるといってもよい。

搭載されるフォルクスワーゲン・グループの2.0 TDIエンジンは、2000rpm以下から3000rpmまで分厚いトルクを発するのが特徴だ。但し、それ以上回転を上げても愉しいサウンドは楽しめないのが残念だ。

レオンFRには、4つのモードが選択可能なドライビング・システムが搭載されている。それは、ノーマル、エコ、スポーツ、そしてカスタマイズ可能な独立モードだ。それは、スロットル・レスポンス、ステアリング・フィール、そしてエンジン・ノートを変化させることができる。

スポーツ・モードを選択すれば、Mk6ゴルフのGTIにも劣らないパフォーマンスを示してくれる。その性能は、本当にディーゼル・モデルであることを忘れさせてしまうに充分なもの。4000rpm以上になるとパワーの低下を感じさせるが、ハイギアードな6速マニュアル・ギアボックス(DSGはオプションとしても用意されていない)と組み合わせられたパワー・ユニットはそのまま線形な加速を示してくれる。

確かに、そのパワー・ユニットの美味しいところは、1750rpmから3000rpmの間で、その回転域を保てば分厚いトルクを得ることができる。しかし、その他の回転域であっても、新しいレオンFR 2.0 TDIは、充分なパフォーマンスをデリバリーしてくれるのだ。

サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンクというレイアウトだが、15mm車高を落とされ、固められたスプリングとショック・アブソーバが与えられている。確かに乗り心地は硬めだが、前モデルのような硬さはない。セアト内部でも、不快なほどの硬い足、イコール、スポーティである、ということではない、という決定がされたのではないだろうか。確かに硬いが滑らかで快適な乗り心地であった。

高速道路上でも、リバウンド・ダンピングがよく効いた足を見せてくれた。また、ツイスティな道でも、最小限のボディ・ロールで、限界でも弱いアンダーステアを示しながらコーナーをクリアしてしまうものだった。残念ながら試乗した日がひどい雨だったため、それ以上のことは判らなかったが、限界内であれば非常に安定したフットワークを持っているといえた。

■「買い」か?

この新しいレオンのトップ・モデルは、最強のエンジンとそのグレードにふさわしい装備を、適正な価格で手に入れることができるモデルということができる。もちろん、同じエンジンを搭載するMk7ゴルフを選択することも可能だ。しかし、エンジンは33bhpほどパワーが落ちる。そしてその代わりに6速DSGを選ぶことができる。また、ゴルフのCO2排出量は119g/kmで、レオン程よい数値ではない。

ゴルフと同じ価格で、レオンはよりよい経済性と、低いエミッション、より大きいパワー、より高いパフォーマンス、そしてマニュアルギアボックスを得ることとなる。

確かにレオンは有名なゴルフというバッヂはつけていない。しかし、その中身はゴルフと同等以上に良い。そして、その特徴あるルックスも魅力のひとつである。

本当にレオンFR 2.0 TDIは、賞賛に値するクルマ造りがされているといえる。それでもまだゴルフと比較しなければならないのだろうか?

(マーク・ティショー)

セアト・レオンFR 2.0 TDI

価格 22,375ポンド(284万円)
最高速度 228km/h
0-100km/h加速 7.5秒
燃費 23.3km/l
CO2排出量 112g/km
乾燥重量 1345kg
エンジン 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル
最高出力 181bhp/4000rpm
最大トルク 38.7kg-m/1750rpm-3000rpm
ギアボックス 6速マニュアル

関連テーマ

人気テーマ

 
最新試乗記

人気記事