ミニ・ジョン・クーパー・ワークスGP

公開 : 2012.11.13 16:37  更新 : 2017.05.29 19:15

■どんなクルマ?

史上最速のミニがこのジョン・クーパー・ワークスGPだ。その1.6リッター・ターボ・エンジンは、スタンダードなジョン・クーパー・ワークスよりも7hp上がった215bhpを発揮し、0-100km/h加速は.02秒速い6.3秒というパフォーマンスを発揮する。サスペンションもそれに合わせて強化されている。調整が可能なコイル・オーバー・サスペンションは、車高を最高20mmまで下ろすことを可能としている。ダンパーは、高価なモータースポーツ生まれのダンパーが組み合わせられる。更に、キャンパーは増大され、トーインが減らされ、それに韓国のタイヤ・メーカー、クムホが特別に開発したタイヤを履く。

リア・シートは外され、赤くペイントされたブレースが装備されているのも特徴だ。

価格は、驚くことに28,790ポンド(361万円)というプライス・タグが付けられている。これは315bhpのM135iよりも僅かではあるが高い価格だ。

■どんな感じ?

われわれのテストは、マジョルカ・カート・コースを5周という限られたものだった。しかし、それはこのGPに相応しい場所ということができよう。

ホールドの良いレカロ・シート、ピアノ・ブラックのトリム、不燃性のルーフ・ライナーは、赤いステッチの入った内装とのマッチングも良い。

ロック・トゥ・ロックが2.4回転というステアリングだが、最初の半回転でそのライナーな性格が掴み取れる。JCWのターマックでの硬い乗り心地が引き継がれていることは、最初のコンクリートの継ぎ目を乗り越えた瞬間にわかる。

足の指に力を入れると、それまでのミニでは経験したことのないような、肺が破裂しそうな加速が味わえる。従来のJCWはホイールスピンをよく誘発していたが、GPの20mm広いトレッドと、特別にチューニングされたタイヤは、28.4kg-mのトルクを充分に受け止める。また、そのサスペンション・チューニングは良好で、クリオ・カップ・レベルではないものの、スロットルでその姿勢を制御することが可能だった。

■「買い」か?

ジョン・クーパー・ワークスGPを購入することは野蛮な投資かもしれない。クリオ・カップかヴォグゾールコルサVXRニュルブルクリンクの方が、もっとドライビング・スリルを味わえるのだから。

とは言っても、限定2,000台という数は、ミニ・エンスージァストにとっては飛びつかざるをえない数字であろう。 しかも、ジョン・クーパー・ワークスGPは、JCWでみられた不自然さも改良されているのである。

(ニック・カケット)

ミニ・ジョン・クーパー・ワークスGP

価格 28,790ポンド(361万円)
最高速度 241km/h
0-100km/h加速 6.3秒
燃費 14.2km/l
CO2排出量 165g/km
乾燥重量 1235kg
エンジン 直列4気筒1598ccターボ
最高出力 215bhp/6000rpm
最大トルク 28.4kg-m/2000rpm-5100rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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