フォルクスワーゲン テイクUp 1.0

公開 : 2012.03.13 19:11  更新 : 2017.05.29 18:59

■どんなクルマ?

テイクUpは、フォルクスワーゲンUpの中でも最も非力で、最もベーシックなトリムを持つモデルだ。3ドア・ボディ(5ドアは夏に登場する予定)に59bhpを発揮する1.0リッター3気筒のガソリン・エンジンと、5速マニュアル・ギアボックスの組み合わせで、7,995ポンド(102万円)という価格が付けられている。エアコンとパワーウィンドウはオプションですら用意されない。もし、エアコンとパワーウィンドウが欲しい場合は、975ポンド(12.5万円)のプレミアムが付いたムーブUpを選ばなくてはならない。また、残念なことにシティ・エマージェンシー・ブレーキング・システムはテイクUpには用意されない。

■どんな感じ?

79bhpバージョンと比べると59bhpエンジンは非力に思えるが、実際にはそう悲観的でもない。ハイパワー・モデルが0-100km/h13.2秒、最高速170km/hに対し、0-100km/h14.4秒、160km/hという数値である。とはいうものの、これが遅いクルマであるということを隠せるわけではなく、追い越しをかけようとするなら前もっての準備が必要となる。それはなかなかハードな仕事である。しかし、一旦流れにのってしまえば、シフトは頻繁に効率良く操作しなければならないが、幹線道路でも二級国道であっても問題はない。ちなみに、最大パワーはレッドゾーンの600prm手前の6000rpmで、最大トルクは3000rpmで発揮される。

怒ったスズメバチを思い出させる3気筒エンジンのうなりは、病みつきになるサウンドで、街中やシティ・スピードではその大きさも気にならない。ただ、さすがに高速道路となると少々騒がしい。

その他の点に関しては、このローパワーのUpが、ハイパワー・モデルと代わるところはない。乗り心地は、低速から高速まで非常に良い。かなりのロールを見せるが、サスペンションはしなやかだ。ステアリングは、高速コーナリングよりも街乗りが得意なタイプで、非常に軽く、小回りも効く。グリップは強力で、終始アンダーステアに徹する。165サイズのタイヤとの相性も良いようだ。

ブレーキは、細いタイヤのグリップ力を上回るほど良く、ABSも驚くほど良く効く。

■「買い」か?

テイクUpがオプションとしてシティ・エマージェンシー・ブレーキング・システムを選べるのであれば、間違いなく「買い」の1台だ。59bhpのエンジンは決して目立つパフォーマンスを見せることはないが、79bhpエンジンを嘲笑している気すらする。もちろん、エンジンの選択は、あなたがどのぐらいの荷物を積むかに関係するが。

59bhpエンジンは、テイクUpとムーブUpにしか搭載されない。一方、79bhpエンジンは、133万円から143万円の価格帯のハイUp、Upホワイト、Upブラックに用意される。

59bhpのテイクUpは、小型で安いフォルクスワーゲンの本質を表す1台だ。

(スチュワート・ミルン)

フォルクスワーゲン Up 1.0 60 テイクUp

価格 7,995ポンド(102万円)
最高速度 160m/h
0-100km/h加速 14.4秒
燃費 22.2km/l
Co2排出量 105g/km
乾燥重量 929kg
エンジン 直列3気筒999cc
最高出力 59bhp/6000rpm
最大トルク 9.7kg-m/3000rpm
ギアボックス 5速マニュアル

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