日産デルタ・ウイング
公開 : 2012.03.14 10:29 更新 : 2017.06.01 00:54
日産は今年6月16日〜17日に行われるル・マン24時間レースに挑戦するデルタ・ウイング・プロジェクトの創立パートナーになった。日産デルタ・ウイングは、ターボチャージド1.6リッター4気筒エンジンを搭載し、コンベンショナルなレース・マシンの半分ほどの重量を持つエアロダイナミクスに優れるマシンだ。
デルタ・ウイングは、総合クラスでの出場は許されていない。しかし、日産は、同社のモータースポーツの将来のためのひとつの方向性を探るため、研究開発として参加することとしている。
デルタ・ウイングは、アメリカに住むイギリス人デザイナー、ベン・ボウルビーと、アメリカのモータースポーツ起業家、ドン・パノス、オール・アメリカン・レーサーズ・オーガニゼーションのダン・ガーニー、ハイクラフト・レース・チームとミシュランが共同して走らせる。エンジンは、DIG-T(ダイレクト・インジェクション・オン・ガソリン・ターボチャージド)というバッジが付けられ、日産ジュークDIG-Tと同じロードカーに採用されている技術が使われる。出力はほぼ300bhp。これは、デルタ・ウイングがLMP1とLMP2プロトタイプと同等のラップタイムを出すことを意味している。
ダン・ガーニーのオール・アメリカン・レーサーズは、インディ・カーの新しいデザインを基にデルタ・ウイングを製作することを提案だれたが、最終的には現在のシャシー供給元であるダラーラをベースに作成することとした。
日産の副社長、アンディ・パーマーは言う。
「われわれが学ぶことができる非常に多くの革新的なアイディアを、デルタ・ウイングは表現している。同時に、われわれのエンジニアリングのリソースと、ピュア・ドライブ戦略に基づいた燃料効率への挑戦は、日産の新しい技術開発の礎となるだろう。」
ドライバーはマシンの後方、ほとんどリア・アクスルの上に座り、細いボディとミシュランによって造られた細いフロント・タイヤを見渡すこととなる。加えて、リアに搭載されるエンジンによって、マシンは著しくリア荷重が大きくなる。
カーナンバー0をつけるデルタ・ウイングは、実験的なマシンのために用意されるピットレーン、ガレージ56よりスタートする予定だ。ドライバーは、マリーノ・フランキッティとミハエル・クルムの2人。
マシンは、今週木曜日のフロリダのセブリングでシェイクダウンを行う。