【571psのV8にクワトロ】アウディS8へ試乗 望み通りのブランド・フラッグシップ

2020.10.28

サマリー

AMG S 63やBMW M750Liのライバルとなる高性能サルーン、アウディS8。4代目に一新したA8に合わせ、S8も最新版が登場しました。フラッグシップとして不足ないラグジュアリーさとパフォーマンスを備えているようです。

もくじ

4.0L V8ツインターボで571psと81.4kg-m
驚くほどの静かさと圧倒されるほどのパワー
落ち着いた佇まいのボディに幅の広い能力
アウディS8(英国仕様)のスペック

4.0L V8ツインターボで571psと81.4kg-m

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ラグジュアリーとパフォーマンスをかけ合わせた、アウディS8。リムジンのような長距離での快適性を備えながら、スーパーカー級のパワーとドライバビリティを兼ね備えよう、というモデルだ。

この領域には、有力なドイツ製ライバルが存在する。メルセデスAMG S 63と、BMW M750Liという手強い2台だ。

アウディS8(英国仕様)
アウディS8(英国仕様)

以前からアウディS8は、路面や気象を選ばないオールラウンダーとして、優れた走りが評価されてきた。一方で、リムジンとスーパーカーという両立の難しい2面性を、ライバルほど完全には抑えきれていなかった。

2018年に4代目、D5系へと一新したA8。アウディ製エグゼクティブ・サルーンの頂点に位置する、最新S8の仕上がりはどうだろう。

すでに標準のA8でも先進的な技術を満載するが、フラッグシップとしてアウディも手は抜けない。さらなる高度な技術と、ターボ過給される4.0L V8ガソリン・ツインターボエンジンを、アルミと複合素材によるボディに詰め込んだ。

新しいS8の最高出力は571psで、先代のトップスペック版S8より34ps増し。最大トルクは81.4kg-mを発揮する。

トランスミッションはティプトロニック付きの8速AT。四輪駆動のクワトロで、知的なスポーツ・デフが、必要なトルクを必要なタイヤへ分配する。さらにアダプティブ・エアサスペンションを備え、優れた乗り心地とハンドリングの両立を目指している。

驚くほどの静かさと圧倒されるほどのパワー

AUTOCARでは一度、最新版のS8をドイツで試乗しており、大きな感銘を受けた。今回は英国の一般道での試乗。管理の悪い継ぎ接ぎだらけの狭い道で、優れた洗練性と動的性能を発揮することはできるだろうか。

静かに超高速で走る、電気自動車も存在する時代。それでも、市街地など低速域でのS8の圧倒的な静寂には、感心せざるを得ない。

アウディS8(英国仕様)
アウディS8(英国仕様)

進行方向のカメラ映像を解析することで、アダプティブ・エアサスペンションは車高を自動的に調整し、路面の起伏やうねりを滑らかに均してくれる。大きなV8エンジンが収まっているのが信じられないほど、静かに滑走するように進む。

そのV8エンジンは、ベルト駆動による電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が組み合わされる、マイルド・ハイブリッド。減速時には、最大8kWまでのエネルギーを回収してくれる。

軽負荷時には、片側のバンクのシリンダーを休止させる、シリンダー・オンデマンド機能も搭載。パワートレインの洗練度と静かさも、驚くほどに高い。

しかし、アクセルペダルを踏み込んで571psを召喚すれば、エンジンは心地よいサウンドとともに本領を発揮。戦うヘビーウエイト級ボクサーのごとく、エネルギーを放出する。

車重が2230kgもある大型サルーンなのに、0-100km/h加速時間は3.8秒。この数字に違わない鋭さだ。

圧倒されるほどのパワーに、任意でトルク分配が可能な四輪駆動システムと、後輪操舵システムという優れた技術が組み合わされたS8。動的性能や操縦性、ドライバーとの一体感などは、車重を感じさせないほど。

 

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